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ゲーム化された未来

ゲーム化された未来

2030年のゲームを見据え、産業や社会への影響を考える

ゲーム化された未来

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ある病気が地球を荒廃させています。人類は絶滅の危機に瀕しており、あなたはその最後の希望です。病気の治療法には古代の植物がカギを握っており、それを見つける為6500万年前の先史時代の世界に遡らなくてはなりません。でも用心しましょう。あなたは一人ではなく、そこには恐ろしい捕食者も歩き回っているのです。あなたはいつまで生き残れるのでしょうか?

今日の最も洗練されたゲームを遥かに超える品質の高度なVR(Virtual Reality)ヘッドセットを使った超リアルなゲームでこの体験していることを想像してみてください。2030年までには、このような真に没入型のXR(eXtended Reality)体験が当たり前となり、ゲームテクノロジーが人々、社会、産業に大きな影響を与えると予想されています。

ARテクノロジー

教育を例にとると、AR(Alternative Reality)テクノロジーと空間マッピングの進歩により、デジタル世界が物理的な現実に組み込まれることでしょう。ローマのコロッセオを訪れた子供たちは、1950年前のその当時の様子を体験できるかもしれません。このような豊かでインタラクティブな体験により、注意力の持続がますます困難になっている世界で学生の関心を高めることが可能になります。

産業界では、ゲーム化された従業員トレーニングが情報の吸収を改善し、より効果的で有能な労働力を開発します。工場の労働者は実際の作業に取り組む前に、ミスをしても大丈夫なゲームを通じてデジタルツインから自分の作業部分を学び、自分の進歩に合わせて研究開発を進めることができます。

教育を例にとると

ゲームの未来とは?

ゲームはどこにでも存在し、すべての人を包含するものとなることでしょう。アクティブな空間的XR体験を中心とするゲームは、没入感を高めながらより多くの移動と相互作用を促進します。コラボレーションの障壁がなくなり、他の方法では出会う機会がなかったかもしれない世界中の人々の間のギャップが取り除かれます。

なぜテクノロジーの進歩がゲームの進化に不可欠なのか?

強力でシームレスなネットワーク接続であれ、人々の間のコミュニケーションの改善であれ、ゲームの中心に存在するのは接続性です。クラウドゲームはリアルタイムのゲームミングを実現し、ダウンロードとストレージの必要性を減らし、ゲーマーが好きなことをやりたいと思った時にどこででも、もっと実行できるようにします。

2030年のビジョンをどのように実現するか

2030年のビジョンを実現するには、帯域幅の増加、遅延の最小化、適応型NCF(Network Compute Fabric)など、さまざまなネットワークの進歩が必要です。これらの機能によりネットワークリソースの最適な使用が保証され、GUI(Graphic User Interfaces)からNUI(Natural User Interfaces)への移行が起こります。

 

ゲームの定義の拡張

「ゲーム」と「ゲーマー」の意味を定義することが重要です。多くの人がゲームの重要な要素は双方向性であると考えています。これがテレビや映画などの従来の動画ベースのエンターテインメントとの違いです。ゲームではこうした受動的な役割とは反対に、参加者が積極的な役割を引き受けます。

今日のゲームは多様なので、ほとんどの人は意識しているか否かにかかわらず、何らかの方法でゲームを行っています。

エリクソンのコンシューマーラボは、世界中のスマートフォンユーザーのゲーマーを、以下の6つのセグメントに分けられることを発見しました。

  • 極端なヘビーゲーマー(コンソール、スマートTV、PC、モバイルデバイスで同等にプレイする)
  • PC中心ヘビーゲーマー
  • モバイル中心ヘビーゲーマー
  • カジュアルゲーマー(暇つぶし)
  • カジュアルゲーマー(ソーシャル)
  • ライトゲーマー

これらのセグメントがゲームに費やす時間は週に3〜50+時間の範囲です。

コンシューマーラボの最近の調査によると、ヘビーゲーマーとライトゲーマーグループの半数は、低遅延と没入感の向上を備えた最適化されたゲーム体験が重要だと考えています。

クラウドゲームの進歩に伴い、モバイル中心のゲームが活況を呈すると予測されています。クラウドゲーム(またはストリーミングゲーム)はコンシューマーゲームの新しい形であり、54%の回答者が、クラウドゲームがゲーム業界のゲームチェンジャーになると回答しています。クラウドゲームにとって接続性は不可欠であり、55%の回答者が、5Gがより広く使えるようになれば、モバイルネットワークでもっと多くのクラウドゲームをプレイすると答えています。

2022年には、コンシューマーラボの調査対象となった37の市場のスマートフォンユーザーの80%が、毎日(デバイスを問わず)ビデオゲームをプレイしていると回答しました。この数字は2012年では62%でした。

2012年以降、スマートフォンでゲームをする人の割合は49%から72%に増加し、ゲームに可搬型のコンソールを使う人の割合は22%から31%に増加しました。逆に2012年に43%であった据え置き型のコンソールでゲームをする人の割合は、2022年には33%に減少しました。

ARおよびVRヘッドセットの使用の増加に支えられた、座り込んでプレイする必要がないスタイルのこの種のゲームは、クラウドゲームを容易にする高性能ネットワークの必要性を浮き彫りにしています。Mobile World Congressのイベントで実証されたように、QoD(Quality of service On Demand)API(Application Programming Interface)は、トラフィックの多いモバイルネットワークを使って、より一貫したユーザー体験を提供できます。

 

私たちの日常生活へのゲームの影響

ゲームの影響は、すでにビジネスや教育から持続可能性や医療に至るまで広範囲に及んでいます。たとえば言語学習アプリやフィットネスベースのスマートウォッチは、ポイントベースの試験、自己ベスト、バッジ獲得、トロフィーなどのゲーム化された機能を使っています。

ゲームに使われるテクノロジーは、ゲーム以外の用途にも広く適用されています。ゲーム用に開発された低遅延コンピューティングは、ロボットの工場を数百マイル離れた場所からリアルタイムで運用するために使われています。エクアドルのジャングルの奥深くにある生産施設やカナダ北部のウラン鉱山では、この技術を使ってリアルタイムでコマンドを実行できるので、極端な辺境に労働力を配置する必要がありません。緊急時には迅速な決定を即座に実行できるため、時間、お金、人命を犠牲にしなくて済みます。

NianticのポケモンGOのようなゲームは、ゲーマーを椅子の上からポケモンが住む惑星という現実の世界に連れ出しました。スマートフォンを手にした世界中の何百万人もの人々が「すべてのポケモンを捕まえる」ための冒険に加わりました。NianticのARベースのゲームは、その過程で社会的交流、メンタルヘルス、フィットネスを向上させます。このようなゲーム体験が「ゲーマー」の定義(と人口統計)を変えています。

「私たちは、人々が外に出て運動し、周囲の世界を探索し、現実世界の環境でコミュニティと交流するよう促しています。」

サラ・ギラルスキー(Sarah Gilarsky)

ナイアンティック通信パートナーシップ責任者

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またゲームはより大きな利益のためにも使われています。Minecraftの開発者はエリクソンの助けを借り、国連と協力して現実世界の複製をゲーム内に構築することに取り組んでいます。国連はこの技術を使って、自然災害や戦争の被害を受けた世界各地の建設工事をマッピングし、設計しています。これによって建物の計画プロセスを加速することで、それを必要とする人々に迅速かつ効果的に救済を提供できます。

ゲームは長い間、治療とリハビリテーションの取り組みに役立ってきました。任天堂のデバイスは、記憶力、集中力、明晰さを高め、素晴らしい結果をもたらす「脳トレ」ゲームで高齢者を支援してきました。Wiiコンソールは、事故や手術後のリハビリが必要な人が運動能力を取り戻すのにも役立っています。

より一般的には、ゲーム化を通じて持続可能性目標に関する意識が高まっています。さまざまな企業(EcologiやEcosiaなど)がリーダーボード、バッジ、チャレンジを利用して人々を競争させることで、リサイクル、植樹、CO2排出量削減を推進しています。

「私の世界」(マインクラフト)

2030年のゲームの目標達成の壁を打ち破る

2030年のゲームの目標を達成するために克服すべき最初の課題は技術的なものです。現在のネットワークは、無数のデバイスとの間でアップロード/ダウンロードされる膨大な量のデータをサポートできます。しかし2030年に向けて高品質で安全な接続に対する需要が高まり、また将来のゲームにかかわるデータ量とエッジコンピューティングを促進する低遅延性と高帯域幅のニーズも高まります。

UnityはインタラクティブなRT3D(Real-Time 3D)コンテンツを作成/運用する世界有数のプラットフォームであり、そのソフトウェアを使って構築されたアプリの月間ダウンロード数は500万を超えています。Unityの使命は、革新的なRT3D体験を生み出す機会と能力をあらゆる人に与えることです。

Unityは、元来ゲーム用に構築されたテクノロジーを使って、おばあちゃんから四歳児にいたる誰もがどこからでもゲームと接続技術にアクセスできる未来を目指しています。誰でもeコマースのトレーニングからスマートファシリティに至るこうした体験を、必然的、永続的、社会的、現実的なものとして簡単に使えるようになるべきです。しかしその実現のためには、低遅延性と高帯域幅を保証する信頼できるプラットフォームが必要です。

壁を打ち破る
「人々はこれまで以上に自分の物語を語ることができます。」

カラン・カーペンター(Callan Carpenter)

Unityデジタルツインソリューション担当副社長

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第二の課題として一般に普及するデバイスが必要です。VRおよびARテクノロジーは依然として、主にアーリーアダプターの間で見られるニッチな製品にとどまっています。VRヘッドセットはメインストリームのユーザーの取り込みに関して別の問題に直面しています。それは、VRヘッドセットはかさばり、バッテリー寿命が短いということです。

もう一つの問題は、ゲームには依然として社会的な偏見がつきまとっていることです。ゲーマーは孤独な引きこもりの「オタク」であり、ゲームは非生産的であるという考えです。しかし今日ではほとんどすべての人がゲーマーであり、ゲームが人々を活動的にする事ができるのを忘れてはなりません。

ゲーム開発企業のHADOは、今日の若者の運動不足への懸念の高まりに対処するために、物理的スポーツとeスポーツを融合させた市場に挑戦しています。ARベースのテクノスポーツであるHADOでは、現実世界のコートにいるプレーヤーが、物理的に激しい仮想ドッジボールのゲームで競います。ゲームで最優先されるのは楽しさとエンゲージメントで、フィットネスはそれに自然に続きます。レベルアップすると、位置特定技術の改善がゲーム体験の向上に必要となります。それはエリクソンのテクノロジーが役立っている重要な分野です。

仮想設定でプレイするとき、力や体の大きさはその重要性を失います。HADOは、視覚障がい者や四肢欠損者を含むすべての人がアクセスできる空間を作りました。HADOは最近、英国のバーミンガムにある二つの学校間でのトーナメントを開催しました。SEN(Special Educational Needs)の学生で構成された一方のチームは独自のコートを持ち、対戦相手と同じレベルでプレーしました。

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「いつかHADOがサッカー、体操、バスケットボールと並ぶ主要な体育の選択肢の一つとして学校で提供されることを望んでいます。そうなればどれだけ魅力的なことでしょうか。」

ジム・セフトン(Jim Sephton)

HADO代表取締役

進化の旅は続く

エリクソンは消費者やゲーム開発者からの知見を得て、技術的な課題に真正面から取り組んでいます。ネットワークの発展と並行して、GUIからNUIへの移行に伴ってゲームデバイスの使い方も改善されていきます。人工のデバイスとは対照的に、人間が自然に備えている能力でテクノロジーを制御します。ボタンやジョイスティックが過去のものとなり、ジェスチャーや音声制御による多感覚体験が一般化すれば、より多くの人々を取り込むことができます。触覚フィードバックスーツがメインストリームになれば、没入感が高まります。

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eスポーツの台頭

eスポーツの台頭により、TwitchやHuyaなどの放送事業者経由でそれを視聴するゲーム観客が増えています。世界中の膨大な数のファンが集まり、プレーヤーとファンが交流し、エンゲージメントが深まります。

ゲーム開発会社のTensionは、現実のイベントと融合したインタラクティブな体験を生み出しています。たとえばホッケーの試合の生中継を、選択したカメラアングルから観戦したり、プレーヤーの統計情報をリアルタイムで確認したり、重要なアクションポイントを巻き戻してさまざまな視点から分析したりといった操作のすべてを、3Dゲーム内でリアルタイムで行うことができます。スポーツの生中継や映画などの従来の受動的なエンターテインメント視聴を、ゲーム化技術の導入を通じて能動化することは、2030年に向けた重要な注力分野です。

「私は自分自身の監督になりたい...ゲームを解放して、ファンやプレーヤーがやりたいときにやりたいことができるようにしたいのです。」

マグヌス・ビョルクマン(Magnus Björkman)

Tension共同創設者兼CEO

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エリクソンは、帯域幅を増やしてより多くのアップロードとダウンロードを可能とし、遅延を減らして円滑で正確なインタラクションをリアルタイムで実現することにフォーカスしています。そのNCF(Network Compute Fabric)は、エッジコンピューティングを超えて進化し、接続性とコンピューティング機能の間に共生関係を生み出します。これによって、即時のアプリケーションニーズにリアルタイムで適応できる柔軟でスケーラブルなネットワークを備えた、相互に接続されたゲームに最適なシステムの相互成長が可能になります。これに平行して、ゲームが日常生活に取り込まれるにつれて、ユーザーのセキュリティ保護とプライバシー保護が普及します。エリクソンはデータの整合性を維持しながらこうした保護を提供することにフォーカスしています。

次のチェックポイントに進む

接続性について、私たちは技術的進歩の重要性を理解していますが、人々の間のつながりを改善することも重要です。

NCFのようなテクノロジーが進化するにつれて、ゲーム、ネットワーク技術、人々の間により深い繋がりが形成され、真に限りない接続性へ向かう傾向が現れることでしょう。XRテクノロジーの改善とメインストリームへの展開により、ゲームははるかにアクセスしやすくなり、人々はあらゆる場所から何にでも接続できるようになるでしょう。

この「ボーダレス」な接続の世界は広範囲にわたる影響を及ぼし、より迅速で効率的なビジネスや個人生活の進歩を実現します。人々を結びつけることよりも重要なことなどあるのでしょうか。親は現実世界の問題を解決し、子供はどこからでも先史時代の世界を探索できるのです。工学のインターンシップに参加した学生が、コーヒーショップで超リアルなARを利用してリアルタイムの指導を受けていることを想像してみてください。その後ろでは若いカップルが顔の前をスワイプして、休暇の目的地を仮想的に閲覧しています。これらはすべてゲーム技術の進歩によって可能になるのです。

ゲーム開発者やエリクソンのようなネットワークプロバイダーの努力により、ゲームは真にメインストリームと呼べるものになりました。より軽量で薄型のXRグラスやNUIベースの入力デバイスなどの改良されたゲームデバイスの登場は人々を結びつけ、ユーザーの日常生活を改善することでしょう。