エリクソンとFar EasTone、マラソンの生中継に5Gネットワークスライシングを初めて活用
本資料は2023年4月6日に発表された報道資料の抄訳です。
2023年3月19日、第21回新北市万金石マラソン(WJSマラソン)が台湾で開催されました。エリクソンはFET(Far EasTone Telecommunications)および台湾のTV・マルチメディア企業TVBSと共に、レースの生中継で重要な役割を果たしました。ライブストリーミングデータのスムーズな送信を通じて優れた視聴体験を確保するために5Gネットワークスライシングが使われたのは、台湾で初めてのことです。
WJSマラソンは、世界陸連から「ゴールドラベル」の認定を受けた台湾で最初の、かつ唯一のマラソン大会です。今年は33カ国から11,000人を超えるランナーと300人以上の招待選手が参加しました。これまでは参加者の規模、マラソンに要する大規模な空間、ランナー達が走り続けかつ長距離を移動することなどの要件から、高品質のストリーミングとネットワーク品質の保証が課題となっていました。
FETとエリクソンは、5Gネットワークスライシングをエンドツーエンドで活用してシームレスな5G体験を提供するために協力し、ルートに沿って競技を放送するニーズに応えました。FETはエリクソンのネットワークスライシング技術により、スループット、遅延特性、セキュリティに関する放送局固有のニーズを満たすように構成されたスライスを介してトラフィックを分離することで、イベント会場への迅速かつ柔軟な帯域幅の割り当てを実現しました。
さらにFETは、既存の基地局を最適化し現地にセル・オン・ホイール (Cell on Wheel, COW)を配備することでネットワーク容量を改善し、競技のあらゆる部分を完全にカバーしました。セルラー接続が通常必要とされない遠隔地などに戦略的に追加できるモバイルセルであるCOWは、エンドユーザーのモバイル体験を向上させます。
エリクソン台湾副社長兼FET事業部総責任者のシベル・バハディール(Sibel Bahadir)は、次のように述べています。「FETとの協力により、ネットワークスライシングの新たなユースケースを創出したパイオニアとなったことを誇りに思います。ネットワークスライシングが実現したライブ放送は、あらゆる場所で優れた視聴体験を提供しました。これにより、優れたモバイル体験とカスタマイズされたネットワーク設定を要する多くのアプリケーションにさまざまな機会が開かれると信じています」
エリクソン台湾のクラウドソフトウェア&サービス部門総責任者、ロブ・ウー(Rob Wu)氏は次のように語っています。「エンターテインメントおよびメディア産業による動画ストリームの需要の高まりに対応する上で、ネットワークスライシングには大きな商業的価値があります。ネットワークスライシングの可能性を最大限に引き出すことができるのは、5G SA(スタンドアローン)アーキテクチャーだけです。この初期のユースケースにより、ネットワークスライシングによってお客様と共により多くのビジネスチャンスを獲得し、公共と民間両部門のデジタル化を推進できることを期待しています」
エリクソンとFETは今年初め、商用5G SAネットワークにおけるネットワークスライシングのユースケースとして、世界で初めて警察向けのスマートパトカーソリューションを導入しました。