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[Tech Unveiled] RAN処理の選択肢の評価: 専用ハードウェアとクラウドRAN
クラウドRANやO-RANアライアンスで開発された仕様などの技術の出現により、通信事業者はRAN機能を処理する新しいさまざまな選択肢に関する疑問に直面しています。*本ブログは2020年9月23日投稿の英語版の抄訳です。
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クラウドRANやO-RANアライアンスで開発された仕様などの技術の出現により、通信事業者はRAN機能を処理する新しいさまざまな選択肢に関する疑問に直面しています。
上記の質問に答える前に、通信事業者が5Gに寄せている二つの大きな期待を見てみましょう。
これらの期待を満たすため、通信事業者は次の方法で5Gネットワークを構築しています。
これらの期待と対策は、通信事業者による5Gネットワークの設計と最適なRAN処理オプションの決定に影響を及ぼし、要件を増やします。
次に、5G RANのプロトコルスタックに焦点を当てて、RAN処理が重要となる部分を解説します。3GPPは、CU(Central Unit)をDU(Distributed Unit)から分離する高層分割インタフェース(F1)を定義しました。以下に5Gプロトコルの要約を示します。
プロトコルスタックの下位にいくほど処理要求が高くなります。レイヤー1とレイヤー2の組み合わせが処理要求の90%を占めています。5Gの広いミッドバンド及びハイバンドとMassive MIMO技術を組み合わせることで、L1とビームフォーミングの処理要求は指数関数的に増加します(図2)。さらにトランスポートのオーバーヘッドはプロトコルスタックの下層に行くほど大きくなるので、非集中型の処理にはRANトランスポートの要件を下げられる利点があります。
4Gが構築された時点では、各アンテナサイトに分散されたベースバンドがあり、均一なネットワークでした。ローバンド、ミッドバンド、ハイバンドの組み合わせとなる5G RANはもっと不均一なので、異なるニーズを満たせる多様化した処理が適しています。以下は可能なセットアップの一覧です(すべてではありません)。
Ericsson RAN Compute Basebandなどの専用ハードウェアは、下位レイヤーにはEMCA(Ericsson Many-Core Architecture)ベースのオーダーメイドのチップ(SoC)上のシステムを使い、上位レイヤーにはX86プロセッサーを使います。X86プロセッサーは今日のクラウドインフラストラクチャーで使われています。エリクソンはライブデモで、ローバンド5Gの全スタックをそのようなインフラストラクチャーで処理できることを示しました。ミッドバンドとMassive MIMOの場合、要件が厳しいL1処理を補完する手段としてハードウェアアクセラレーションが必要になります。
次に、専用ハードウェアとクラウドインフラストラクチャーの両方について、集中型処理および非集中型処理のメリットについて説明します。
エリクソンには、ERS(Ericsson Radio System)を基盤として構築された100件を超える5G商業契約があります。ERSでは、EMCAに基づく専用プロセッサーを搭載した専用SoC(System on a Chip)を使用しています。EMCAは長期的な使用を想定しており、小さなフォームファクターと低消費電力で、最大限の性能を発揮するよう最適化されています。EMCAはMassive MIMO無線、ルーター、RANコンピュートを含む多くのEricsson Radio System製品への統合と、実証済みの安定したシステム性能を実現します。
2G/3G/4Gのクラウドインフラストラクチャーはすでに展開されており、複数の標準をサポートする専用ハードウェアで処理される成熟した技術であるため、通信事業者にとっては魅力的な投資対象ではありません。またEricsson Radio Systemの無線機とRANコンピュートポートフォリオは、リモートによるソフトウェアインストールで5Gをサポートしています。
通信事業者はクラウドインフラストラクチャーをベースに5Gコアを展開し、クラウドネイティブ技術を活用して、より効率的かつTCOが最適化された展開を実現しています。通信事業者がクラウドインフラストラクチャーを進化させる上では、インフラストラクチャーをドメイン間で共有(たとえば5GコアとRANの両方を実行)できるよう、5G RANユースケースの具体的な要件を考慮することが重要です。
Ericsson Radio Systemのインタフェースは、クラウドインフラストラクチャー上でRAN処理を実行するために進化します。
5Gコアネットワークの処理オプションも多様化しています。コアネットワークの処理は、従来は少数の集中サイトで行われてきました。ただし非集中化コア処理には、E2Eのアプリケーション遅延やセキュリティ面で利点があります。これらの新しいクラウドサイトはRAN機能も処理できるため、このような5Gコアの非集中化により、クラウドインフラストラクチャーをエッジやファーエッジのデータセンターに導入し、RANとの処理の相乗効果を生み出せます。
エリクソンは、Ericsson Radio Systemを補完するため、RAN処理にクラウドインフラストラクチャーが段階的に導入されると予想しています。以下に三つの例を示します。
結論として、通信事業者がRAN処理のオプションを評価する際に一般的に適用できる、技術に依存しないチェックポイントをいくつか挙げます。
5G RAN処理の評価ポイント
私たちは、予想されるトラフィック増加に対応し新しいユースケースをサポートするという期待に応える多くのRAN処理オプションがあるエキサイティングな旅の始まりにいます。エリクソンは、さまざまな展開シナリオでメリットをもみたらす広範なツールボックスを提供できることから、専用ハードウェアとクラウドRAN処理による相互補完的なアプローチが、通信事業者にとって最もROIの観点から適した方法であると確信しています。
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