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インテリジェントRANオートメーションにAIを適用する最善の方法

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5Gネットワークの需要に応えるには、より幅広いユースケースをサポートする高度な自動化を備えた新しいソリューションが必要です。エリクソンのインテリジェントRAN オートメーションは、人工知能と機械学習技術の使用を増やすことで、高度な自動化を実現します。RAN SWのライフサイクルを革新してAI運用を実現し、適所にAI機能を提供します。*本ブログは2022年3月23日投稿の英語版の抄訳です。

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インテリジェントRAN オートメーションへのAI適用

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変化を求める声:自動化適用範囲の拡大

SON(Self-Optimizing Network)では新しい要求に応えるには不十分です。

  • 仮想化と物理的なワークロードの組み合わせ、ネットワーク密度の上昇、高度なアンテナシステムなどによる複雑性の増大
  • ネットワークスライス、マルチテナンシー、専用ネットワークなどの新しいビジネスチャンス
  • マルチベンダーのサポートとオープン性の需要の高まり

図1に示すエリクソンのインテリジェント RAN オートメーションポートフォリオは、集中型および分散型のSONソリューションと、AI/MLを実現するよりオープンな環境へのトランスフォーメーションをサポートする新しい機能を含むネットワーク自動化を、エンドツーエンドでサポートします。ポートフォリオはイノベーションを促し、幅広いユースケースと商用化時間の短縮をサポートし、既存と将来のネットワークをサポートする高い適応力を備えています。

現在の環境からイノベーションを目指したよりオープンな環境への変化

図1現在の環境からイノベーションを目指したよりオープンな環境への変化

RAN自動化の目的は、RAN機能の開発、実装、展開、管理、最適化、停止に伴う人力作業を自動化することで、RANの性能と運用効率を向上させることです。AIの役割は、より高度なネットワーク自動化性能を実現することで、RANネットワーク機能の自律化を進め、人力の処理を人間の能力を増強するインテリジェントなツールに置き換えることです。またAI/MLベースのRANネットワーク機能とツールを、さまざまな環境に展開できるよう堅牢化します。

RANオートメーションによる競争上の優位の創出

エリクソンのAI及び自動化基盤は、通信事業者にプラットフォームとRAN SW及びサービスの先進的なライフサイクル管理を提供し、ネットワークを効率的に進化させ、移り変わる需要に対応します。ネットワーク性能の向上を実現し、新機能の商用化時間を短縮し、よりよいROIのため適切な投資と運用効率の向上を目指しています。

エリクソンのインテリジェント RAN オートメーションソリューションは適切な自動化を提供し、最も優れた費用効率を実現します。図2に、展開されたリソースを最大限に活かすためにRANを効率的に運用するというタスクを、異なるタイムスケールとさまざまなスコープに従って協調して機能する各種の制御ループに分割して示しています。インテリジェント RAN オートメーションソリューションは、AI/MLアルゴリズムを使って、こうした制御ループ上で設計されたアルゴリズムや既存のプロセスに統合され、あるいは相互作用します。

ホリスティックな観点で見たRAN自動化

図2ホリスティックな観点で見たRAN自動化

二つの最速の制御ループは、従来のRRM(Radio Resource Management)に関連しています。例としては、最速の制御ループでのリンクアダプテーションや、2番目に速い制御ループでのセル監視などがあります。これらの制御ループの機能はほとんど自律的ですが、多くの場合、ミリ秒(ms)から数百msの範囲の時間枠で複雑な構成を必要とするよう設計されたアルゴリズムによって駆動されます。多くの場合、AI/MLを使うことで高速制御ループの機能を強化し、ループをさまざまな環境での展開に適応させ、堅牢化することができます。これにより、低速の制御ループで必要となる構成の最適化が最小限に抑えられます。

図2に示している低速の制御ループは、従来のネットワークの設計、最適化、管理に関連しています。この例にはRAN調整やネットワーク電力管理などがあります。二つの高速制御ループとは対照的に、これらの低速ループは現時点ではかなりの程度人力で行われています。低速の制御ループには、RAN自動化の結果としてなくなる人力作業の大部分が含まれます。AI/MLがこれらのループで特に魅力的なのはこの理由によります。

AI/MLを利用したソリューションは、短期的には、特定のユースケースやアプリケーションについて、ルールベースを利用したソリューションよりもより正確で効率的なものになると予想しています。AI/MLを利用したソリューションは、長期的にはRANに広く普及し、AI/MLは、最高の性能と費用効果の高いネットワークを実現するための一つのツールになることでしょう。

進化したライフサイクル管理

従来のソフトウェアと比較すると、AI/ML技術では、トレーニング、モデルコンセプトのドリフト、連合学習、より強いデータアクセスへのニーズといった要素が導入されます。LCM(Life Cycle Management)のプロセスは、サプライヤー、インテグレーター、CSPの役割、すなわち誰が何に責任を負い、誰が何を誰に販売するかを規定します。私たちは通信業界としてソフトウェアのLCMを調整し、AI/MLベースのLCMとテクノロジーを取り込み、進化させることでそのポテンシャルを十全に開花させ、関心の明確な分離を維持し、バリアントを最小限にとどめて業界の断片化を回避する必要があります。次の図は、非常に高いレベルのAI/ML LCMプロセスを示しています。

高レベルのLCM

図3 高レベルのLCM

図3に示すように、四つの主要なLCMの選択肢が知られています。

  1. 訓練されたグローバルモデルと訓練は、訓練段階におけるベンダーの責任です。例:アプリケーションとしての電力最適化(将来のrAPP)
  2. ローカルモデルとローカル訓練は、訓練段階におけるベンダーの責任です。開発者がベンダーのデータを使って最初に訓練されたモデルを提供する場合もあります。
  3. 再訓練機能を備えた最初に訓練されたグローバルモデル、訓練または再訓練は、適応/検収段階におけるCSPの責任です。
  4. 自動再訓練を備えた組み込みモデル。CSPネットワークでローカルデータを使って自律的に再訓練します。例:AIを利用した高度なセル監視(Centralized Training Systemが有効)

AI/MLは、従来のルールベースのソリューションと比べると、グローバルとローカルの適応レベルの選択にはるかに適しています。AI/MLモデルのグローバリゼーションは、たとえばベンダー環境で一度訓練され、多くのネットワークや状況に展開されたモデル、またはこれまでに見られなかった新しいデータなどに正しく適応する能力を備えたモデルと言ってもいいでしょう。ローカルな適応を行い、固有のローカルデータを使ってAIモデルを訓練または再訓練します。

エリクソンのデータドリブン型開発

データ収集は、おそらくAI/MLをスケーリングする上で最大の課題です。公共データ(性能監視など)とは、製品の運用やサービスの提供を目的として、ベンダーからCSPに提供された製品やサービスから得られた標準化された公開データです。一方で非公共データ(AIモデルのデバッグトレースなど)は、IPR(Intelligent Property Rights)に関わる機密情報を含むデータであり、ベンダーによってイノベーションやサービスの開発、検証、展開に使われます。生成される非公共データは、通常は公共データの10万倍の量に達します。そのためエリクソンは、特定のネットワーエレメントから関連するユースケースに必要なデータだけを抽出するメカニズムを開発しました。

シミュレートされた環境は、最終モデルの訓練に公共または非公共フィールドデータを使うか、シミュレートされたデータを使うかに関わりなく、AI/MLベースのアルゴリズムを使った最初の開発ステップでよく利用されます。

AI/MLアルゴリズムは時間の経過とともに改善され、あるいは予測の精度を高める目的で他のアルゴリズムで補完され、またはモデルが動作するネットワーク内のローカルデータを使って再訓練されます。長期的に見ると、この反復型の開発によりシステムのアーキテクチャーと機能が進化するにつれて、特定のAI/MLリソースが一元化されることがあります。データドリブン型の開発は、RAN SWのライフサイクル管理の進化における重要なコンポーネントです。

私たちは、AI/MLアルゴリズムの初期の訓練(設計フェーズでのMLアルゴリズムの作成と訓練、または保守フェーズでの訓練と再訓練として定義)を区別します。AI/MLモデルの初期訓練でAI/ML機能が特定されると、モデルがドリフトを始めたときに再訓練に必要なデータがわかります。これはネットワーク機能またはプロセスの効率に影響を与える可能性があります。再訓練は、エリクソンのデータドリブン型開発でオフラインで実行することも、事業者ネットワーク内で実行することもできます。後者については、多くの場合、オフラインで利用可能なデータで一般化することが難しいローカル環境に適応することを目的として、顧客固有のデータを使って再訓練が行われます。

マルチベンダーエコシステムを実現する標準化

通信業界は、AI/MLの大量導入を実現して産業化フェーズに移行するためには、業界内の連携が必要であることを認識しています。結果としてすべての主要な業界団体が、技術を活用してAI/MLランドスケープでの立ち位置を獲得する方法を模索することになり、異なる複数の方向性が追求されています。今後の産業化フェーズと大量導入を加速するために、通信業界は3GPP、ORAN、ONAP、ETSI間で標準をすり合わせるために以下の努力を行う必要があります。

  • サービスベースのインテントを使ったデータ収集と、公共データと非公共データ両方における標準化されたインタフェースを使ったデータ管理への注力
  • AI/ML機能とLCMの機能アーキテクチャーの整合をとる
  • さまざまなドメインの最適化を実現する多様なネットワーク・アナリティクス仕様への注力と整合化をとる

ユースケースへのAI/MLの適用

AIの目的は、より高度なネットワーク性能と自動化の可能性を解き放つことで、最終的に顧客に価値を提供することです。データ科学と通信分野の知識を組み合わせて、AI実装のためのユースケースドリブン型とビジネスドリブン型のアプローチを開発します。

 

ユースケース

LCM

制御ループ

AI ベースのDLリンク 1 超高速
AI ベースの高度なセル監視 4 高速
AI ベースのDU間調整 1 低速
電力最適化 1 低速

AIベースのDLリンク調整

AIベースのリンクアダプテーションは、周波数帯効率の向上を目的としたネットワーク最適化ソリューションです。この機能ではエリクソンのニューラルネットワークを導入してリンクプロパティを強化することで、周波数帯効率とスループットが向上します。現在のリンクアダプテーションは、高負荷のシステム向けに最適化されています。隣接するセルからの情報を利用して周波数帯効率を大幅に改善し、中程度の負荷のシステムのリンクアダプテーションを強化します。

AIベースの高度なセル監視

AIべースの高度なセル監視は、ネットワークヒーリングソリューションです。ローカルで実行され、RAN Compute上で自己学習し、Centralized Training Systemで自ら再学習する機械学習アルゴリズムにより、セルの性能の異常を継続的に探す完全なネットワーク監視が実現されます。瞬時かつ予測可能な検出と、最小限の影響による即時の回復動作が可能です。

これにより、KPIが低下したセルを瞬時に検出して回復することが可能になり、ISP(In-Service Performance)が向上します。モデルのドリフト時は、RBSがAIモデルの再訓練と、クラウド上のCentralized Training Systemによる新しいモデルの展開を起動します。

AIベースのDU間調整

AIベースのDU間調整はネットワーク展開ソリューションであり、たとえばローバンドとハイバンド間のNR CA(Carrier Aggregation)により、ピークレートとカバレッジを強化します。ネットワーク全体で最適なDUパートナーを選択して構成することは、困難で時間がかかる場合があります。高度RAN調整機能は、ネットワーク全体で最適なパートナーを選択するための中央アプリケーションを介して、このタスクを最適化および自動化します。MLアルゴリズムを使ってセルの負荷を予測し、最適な選択を確保し、人力による選択と構成を不要にします。

電力最適化

ダウンリンクの電力最適化は、深層強化学習テクノロジーを使い、カバレッジや性能を損なうことなくセルのTX電力を削減できるかどうかを判定するネットワーク最適化ソリューションです。またこのソリューションは、性能を向上させるために電力の増加が必要なセルを特定します。電力の最適化によりエネルギーを節約し、RF放射の規制が厳しい市場で無線容量を最大化できます。継続的なクローズドループ最適化により、ネットワークが進化してトラフィックの分布が変化しても、最適な設定を自動的に維持します。トラフィック量を維持し、DLとULの性能を向上させながら、カバレッジレイヤーでDL電力を削減します。

結論

エリクソンは、RANを自動化する方法を革新し、大幅に変更する道を進んでいます。データドリブン型AI/MLの原理とRAN自動化の専門知識の両方を携えたソートリーダーシップを発揮し、AI/MLをエリクソンのインテリジェント RAN オートメーションソリューションに適用しています。SONの次のステップであるエリクソンのインテリジェント RAN オートメーションポートフォリオは、エンドツーエンドのネットワーク自動化と、AI/MLを実現してよりオープンな環境へのトランスフォーメーションをサポートする新機能を備え、イノベーションを促進し、幅広いユースケースをサポートし、商用化時間を短縮し、既存と将来のネットワークをサポートする適応性を高めます。この革新的なソリューションは、RAN SWのライフサイクルを革新し、AI運用を実現し、最も適した場所にAI機能を提供します。エリクソンのAI及び自動化機能の基盤は、お客様にプラットフォームとRAN SW及びサービスの先進的なライフサイクル管理を提供し、ネットワークを効率的に進化させ、絶えず変化する需要に効率的に対応します。RANにAIを適用することで、さまざまな制御ループの時間枠で機能する幅広いユースケースを産業化できます。お客様はユースケースを通じて性能の向上、優れた効率、カスタマー体験の向上というビジネス価値を生み出し、結果的に新しい収益源を得ることができます。

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