ウクライナ情勢やCOVID-19のような今ここにある危機には、最大の注意を払う必要があります。一方で世界は、SDGs(Sustainable Development Goals)達成を目指した長年にわたるグローバルな取り組みのペースを緩めるわけにはいきません。これらの目標を達成できなければ、今後さらに多くの危機に陥ることになります。
グローバルな協力が最も必要なときにそれを損なう保護主義的な言説という逆風に直面している今こそ、2030年のSDGs達成に向けた歩みを止められないだけではなく、加速しくてはならないのです。
デジタル特効薬
SDGs達成に貢献できる数少ない魔法の弾丸の一つがデジタライゼーションです。私たちの政府は、その可能性をより早く解き放つ必要があります。デジタライゼーションは、あらゆる分野の産業や政府を団結させることができます。広範な社会的、経済的、環境的利益をもたらし、2030 SDGsの17の目標すべての達成に貢献します。
デジタライゼーションは産業の生産性を高め、廃棄物を削減し、新しい市場に新しいソリューションを導入する機会を提供します。AI市場だけでも2025年までに4.5兆ドル、IoT市場は2025年までに15兆ドルの規模に達することが予想されています。
テキサス州ルイスビルにあるグローバルライトハウスに認定されたエリクソンの5Gスマートファクトリーは、一国の一産業部門がもたらすことができる可能性を示すものです。接続されたAIやIoTなどの飛躍的な技術を通じて、この米国の工場は従業員一人当たりの生産性を120%改善し、同等の建物との比較で水の使用量を75%削減するように設計されており、完全に再生可能な電力で稼働しています。こうした飛躍的な技術をあらゆる分野とあらゆる場所に適用すれば何が達成できるか、想像してみてください。
デジタルトランスフォーメーションは、グローバルな規模で持続可能な経済成長の原動力となっており、2022年までにGDPの60%以上がデジタル技術に依存すると予想されています。同時にデジタルソリューションは、2030年までに温室効果ガスの排出量を15%削減する可能性を秘めています。
こうしたデジタルなメリットは、政府に環境に優しいデジタルな計画をもたらすにとどまらず、市民が国家とそのサービスに関与する方法を根本的に変えるデジタルリーダーになることを可能にします。
社会全体にとってのデジタライゼーションは、私たちがお互いに関わり、糧を稼ぎ、学び、交流し、世界を経験する方法を再定義し、それを根底から変えるものに他なりません。
困難
接続性はデジタライゼーションの前提条件ですが、それは十分ではありません。確かに進歩はしています。たとえば2019年から2021年の間に、インターネットを使う人の数は17%増加しました。つまり7億8,200万人が接続のない状態からある状態になったのです。しかし29億人がいまだにオフラインの状態にあり、SDGsが提唱する普遍的な接続性の提供にはほど遠い状況にあります。発展途上国におけるインターネットの導入は19.5%で、2030年にユニバーサルな接続性を達成するための重要なマイルストーンとしてブロードバンド委員会が設定した2025年の目標である35%をはるかに下回っています。
接続性については高い目標を設定する必要があります。可能な限り最新の接続性で広いカバレッジを確保することを目指すべきです。
5Gは最新の接続技術です。以前のどの移動体通信世代よりも迅速に拡がっている5Gは、その独創的な機能(データ通信速度や低遅延性など)によって、AIやVRなどの飛躍的なデジタライゼーション技術の勃興を可能にする飛躍的な技術なのです。
この分野では不平等性が露わになっています。たとえばエリクソンモビリティレポートは、2027年までに北米のモバイル契約の90%が5Gになる一方で、サハラ以南のアフリカではわずか10%に留まると予想しています。
特定の社会や産業が取り残されるのを回避し、世界がSDGsを早期に達成するためには、ユニバーサルな接続性に向けて加速する必要があります。
問い
社会と産業には道を切り開く準備があります。今私たちが必要としてるのは、それを可能にする政府です。つまり人々のデジタルリテラシーとスキルを高め、デジタライゼーションの最中にある社会に安全に参加できるよう支援する必要があるのです。また将来を見据えた大容量のデジタルインフラの展開を加速しなくてはなりません。
私が共同副議長を務めた昨年のG20のB20デジタライゼーションタスクフォースで得られたのは、この二つの重要な問いかけでした。このメッセージは、G20のローマ首脳宣言「我々は、質の高いデジタル・インフラへの持続可能な投資が、デジタル・デバイドの削減に大いに貢献できることを認識するとともに、引き続き2025年までに全ての人のための連結性に向けた普遍的で、手頃なアクセスを促進していく」につながりました。
それから1年が経ち、2025年までにユニバーサルな接続性を実現するために残されている時間が1,000日を切った今、来週開催される世界経済フォーラムのダボス会議に出席する各国のすべての首脳が、ユニバーサルな接続性とデジタライゼーションの全面的な推進に賛同してくれることを期待しています。
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エリクソンCTOのエリック・エクデンは、インドネシアのビジネス20(B20)デジタライゼーションタスクフォース2022の副共同議長と国連ブロードバンド委員に復帰しました。
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