- エリクソンは、サービス品質、強化されたセキュリティ、改善されたユーザー認証などの高度な5Gネットワーク機能に開発者が簡単にアクセスできるようにする新しいベンチャー企業の設立で主導的な役割を果たしています。
- ネットワークの開放は、社会のデジタル化を拡大し通信業界の新たな収益源を実現するために不可欠です。
*本ブログは2024年9月12日投稿の英語版の抄訳です。
デジタル化は、世界中で前向きな変化を起こす原動力となっています。イノベーションの次の波を促進するには、高度なモバイルネットワーク機能への広範なアクセスが不可欠です。これを念頭に置いて設計されている5Gは、以前の通信世代よりもはるかに強力です。しかし開発者がその高度な機能にアクセスするためには何百もの事業者のネットワーク機能を統合する必要があるため、それらのほとんどは社会に届かない状態です。
しかし今や私たちは、デジタル化のペースを速めるためにこのハードルを取り除こうとしています。
エリクソンは、América Móvil、AT&T、Bharti Airtel、Deutsche Telekom、Orange、Reliance Jio、Singtel、Telefonica、Telstra、T-Mobile、Verizon、Vodafoneなど、世界最大級の通信事業者との歴史的なコラボレーションにより、ネットワークを開放し、ネットワークAPIを組み合わせたグローバルなプラットフォームを通じて高度なネットワーク機能に簡単にアクセスできるようにするために協力しています。
この画期的なコラボレーションにより、企業や社会にとってまったく新しいユースケースが実現可能になり、通信業界に新たな収益源が開かれるはずです。マッキンゼーは、今後数年間でネットワークAPIの価値が100億〜300億米ドルに達し、さらに世界中のネットワーク事業者が接続性とエッジコンピューティングの収益を1,000億〜3,000億ドル増やすことができると推定しています。
しかし先に進む前に、この未来を実現するためにネットワークを開放することが絶対に必要である理由を理解することが重要です。
イノベーションのプラットフォームとしてのネットワーク
前世代のモバイルテクノロジーは消費者をデジタル化し、アプリ経済を生み出しました。現在の5Gは、クリーンエネルギーへの移行、強靭なサプライチェーンの確立、産業自動化の普及など、社会の主要なトレンドを加速させる可能性を秘めています。この進歩のぺースを維持するには、超低遅延性、超高速性、正確な位置情報サービスといった5Gネットワークの最も強力な要素を、アプリケーション開発者が広く利用できるようにすることが重要です。これにより銀行、物流、製造業などに新たなユースケースが生まれ、通信業界に新たな収益がもたらされます。
そこで出番となるのがネットワークAPIと新しいパートナーシップです。
ネットワークAPIは、高度な5Gネットワーク機能を使いやすく、消費しやすく、支払いやすい形式にパッケージ化することを可能にするオープンインタフェースです。アプリケーション開発者はこれらのインタフェースを通じて特定のネットワークリソースに容易にアクセスし、それらを高度な新しいユースケースに統合できます。ユースケースにはたとえば自律型フリートの接続性を確保し、ライブイベントの円滑な動画ストリーミングを実現するQoD(Quality on Demand)、ストレスのない安全な認証体験を実現する番号検証、消費者と企業向けに強化された不正防止があります。
しかしこれらのアプリケーションの実現を阻む大きな障害がまだあります。
世界中に存在する通信事業者は400社を超えているため、開発者にとって個々の事業者と統合することは、実用面でも経済面でも妥当性を欠いていました。必要なのは、高度な5G機能へのインタフェースをシームレスに組み合わせた新しいレイヤーを追加することです。これが私たちが行っていることで、開発者にかつてないほどの力を与え、接続の未来を再考する企業や社会に新しいユースケースを解放するという今回の画期的な発表につながっています。
この新しいベンチャーは、ネットワークAPIをグローバルに組み合わせ、新しいアプリケーションがどこでもどのネットワークでも動作するようにすることで、開発者がより簡単かつ迅速にイノベーションを起こして企業に新しい付加価値サービスを提供できるようになります。新会社は組み合わせたAPIを、HCP(Hyperscalers)、CPaaS(Communications Platform as a Service)プロバイダー、SI(System Integrators)、ISV(Independent Software Vendors)などを含む広範な開発者プラットフォームのエコシステムに販売します。
新会社の設立当初からのパートナーであるVonageとGoogle Cloudは、1,000万人を超える開発者からなるエコシステムへのアクセスを提供します。Vonageは、開発者や企業がネットワークに求める要件についての重要かつ直接的な知見も提供します。
Vonageはすでに今日、幅広い開発者エコシステムと協力しています。たとえばAWSはVonageのFraud Protection APIベースの使い易い認証、グローバル番号と「SIMスワップ」のチェック、通信詐欺の監視、アラート、ブロッキングを提供し、それらを生成AIによって強化もしています。
この新しいベンチャーは、こうしたVonageプラットフォーム上ですでに起こっている開発者のイノベーションを加速します。
もともと5Gは、企業や社会にとってのイノベーションプラットフォームとして使われることが想定されていました。私たちは、ネットワークAPIをオープン化してグローバルにアクセスできるようにし、開発者がボタンを押すだけで高度なネットワーク機能を利用できるようにしているのです。これによりクラウドゲーム、コネクテッドカー、リモート患者ケアなどの最先端のユースケースが生まれ、新たなビジネスチャンスが広がるはずです。
ネットワーク効果の始まり
大手通信事業者とのこの歴史的なコラボレーションを通じて、私たちは通信業界の位置付けを変え、人々がネットワーク機能にアクセスして利用する方法と、ネットワークを収益化する方法を再定義しています。
高性能でプログラム可能なネットワーク、ネットワークAPI、開発者の活気あるエコシステムの組み合わせによる相乗効果として、イノベーションと成長を加速する強力なネットワーク効果が生まれます。
ネットワーク効果は、ネットワークAPIがグローバルプラットフォームで広く利用可能になればその勢いを増します。より多くの開発者が参加して新しいアプリケーションを開発することでネットワークのトラフィックが増え、事業者の収益が増加します。これがさらなるネットワークへの投資を促すことでサイクルが加速し、新しい開発者、企業、事業者が参加するたびにプラットフォームの価値が向上します。
私たちの目標は、ネットワークの利用を拡大し、社会のデジタル化を加速させることです。包括的なエコシステムを備えたグローバルプラットフォームにより、何百万人もの開発者が高度なネットワーク機能に簡単にアクセスできるようになることで、通信業界はネットワークAPIがもたらす商機により深く投資できます。結果としてそれは、通信業界、企業、社会全体に大きな利益をもたらすことでしょう。
ネットワークAPIの未開拓の可能性と開発者のイノベーションを通じて、デジタル化の未来を探求する旅にぜひご参加ください。本当にエキサイティングな旅の始まりです!
もっとくわしく
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