世界中のネットワークAPIを統合するブランドをエリクソンはどのように創造したのか
本資料は2025年3月6日に発表された報道資料の抄訳です。
- エリクソンは、ネットワークAPIがもたらす機会を求める企業や開発者を支援することを使命とする新しい合弁会社、アドゥナのブランドアイデンティティの創造において複数のパートナーと協力しました。
- アドゥナはMWC 2025に開設した自社ブースを通じて公開されました。
CMOとして、特にアドゥナのような変革をもたらす可能性を秘めた企業の新ブランドの創造に参加する機会はめったにありません。
アドゥナは、エリクソンと世界最大級の複数の通信事業者が最近立ち上げたベンチャー企業です。5Gとエッジコンピューティングがデジタル産業の地図を塗り替えようとしている今、これらのテクノロジーを活用したソリューションの需要が高まっています。
アドゥナは、Vonage や Google Cloudなどの開発者プラットフォームが、通信業界の既存のCAMARA標準をベースに構築されたネットワークAPIを介してグローバルにスケーリングし、最も大胆なアイデアの導入を加速できるようにすることで、この変革を実現します。
昨年9月に、12社の通信事業者との提携を発表し、それ以来、一緒に名称と新しいブランドの開発に取り組んできました。アドゥナは単なる一会社ではないので、これは難しい仕事でした。アドゥナはイノベーション、簡素化、コラボレーションに基づいて構築された接続性の未来のビジョンを表しています。私たちの使命は、世界中のビルダーとメーカーが、ユビキタスに存在する世界のモバイルネットワークを活用して新たな可能性を解き放つことを可能にすることです。
アドゥナはゲームチェンジャーとなる
アドゥナは、多様な才能と分野が手を取り合って、それらの総和よりも大きな何かを生み出すコンバージェンス、すなわち統合の力を象徴しています。アドゥナは、多様なステークホルダーに利益をもたらすように設計されたプラットフォームなのです。
- 通信事業者は、APIを通じて主要な機能を公開することでネットワークへの投資を収益化し、エコシステム全体にWin-Winの関係を築くことができます。
- 企業は、ネットワーク機能を活用したカスタマー体験の向上や運用の合理化などのさまざまな機会を活かすことができます。
- 次の大きなトレンドとなる何かを構築する開発者は、直感的なツールと詳細なドキュメントにアクセスできます。
アドゥナはネットワークAPIをグローバルに組み合わせ、新しいアプリケーションがどこでも、どのネットワークでも機能することを保証します。HCP(ハイパースケールクラウドプロバイダー)、CPaaS(Communications Platform as a Service)プロバイダー、SI(システムインテグレーター)、ISV(独立系ソフトウェアベンダー)などの開発者プラットフォームの広範なエコシステムに、APIの組み合わせを販売します。
2月12日にロンドンで開催されたMWCのアナリストデーで、InfobipとSinchが新たなパートナーとして発表され、アドゥナに当初から参加していたVonageとGoogle Cloudに加わりました。これらのパートナーシップにより、1,000万人以上の開発者のエコシステムにアクセスできます。アドゥナは調和のとれたプラットフォームとして機能し、Vonage、Google Cloud、Infobip、Sinchなどのパートナーからの知見を統合して、開発者のイノベーションを加速させます。アドゥナはこれらの業界リーダーと協力することで、クラウド通信とカスタマーエンゲージメントの能力を強化し、ネットワークAPIエコシステムをさらに充実させます。
アドゥナの使命を反映し高めるブランドIDの創造
すべてのパートナーが長い歴史と独自のブランドを持つ世界クラスの企業であるというアドゥナの本質を、ブランドに反映する必要がありました。親会社を代表するブランドを共同で構築すると同時に、まったく新しい何かを生み出す必要があったのです。
ブランドチームと代理店パートナーは、パートナーのチームと緊密に連携しながら、20の言語の500以上の異なる名前の選択肢を検討し、文化的および歴史的な意味について専門家や学者と相談しました。
アドゥナ(Aduna)という名前は、もともとラテン語で多くの異なる存在が集まることを意味する coadunation という言葉に由来しています。それは私たちの新しい会社の精神である「多くのパートナーが結集した力」に見事に一致する、力強い5文字の単語として際立っていました。私たちはまた、主要なオーディエンスである開発者の感情を揺さぶる魅力的な名前にしたいと考えていました。

アドゥナのヒーロー画像は、ニュートラルな色彩パレットを特徴とするビジュアルアイデンティティを示しています
ビジュアルアイデンティティも同様に考え抜かれました。これは単一色ではなく、複数のトーンを統合するニュートラルな色彩パレットで作成されました。上記の例は多くの配色の一つにすぎません。
ロゴは万華鏡に触発されたモダンなシンボルで、その形状は調和と対称性を伴って収束し、共通の目的意識を中心につながっています。このデザインは、現代性と知性が一体化し、複数の業界のパイオニアが融合し、すべてのピースがシームレスに組み合わされる様相を示しています。

アドゥナの名前とロゴは、ユニークなブランドを持つ企業が集まって新しい存在を創成したことを強調しています。
ヒーローイメージも万華鏡をテーマに開発されたもので、よりつながった新しい世界を創造するパートナーとの結びつきと共に、可能性の感覚を刺激することを意図しました。新鮮でモダンに感じられるブランドIDは、真に独創的なものを作り出すアドゥナのオーナーの力を活用しています。
MWCで強力なブランドアイデンティティを発表
MWC2025(モバイルワールドコングレス)は、事実上アドゥナのお披露目の場となりました。イベントに先立ち、KDDIが13番目のエクイティパートナーとして加わったこと、またCPaaSのリーディングプロバイダーであるInfobip及びクラウド通信のリーディングプロバイダーであるSinchと戦略的パートナーシップを締結したことを発表しました。
エリクソンのメインのパビリオンの外には、万華鏡のテーマに触発されたアドゥナのブースがあります。それは集団の力を示し、人々とアドゥナのオーナー、パートナー、カスタマーを結びつけるシンボルとして機能します。また多くのパートナーが自社ブースでアドゥナを紹介しています。
万華鏡により、ビジネスビルダーがアドゥナの物語をさまざまな角度から提示することができます。APIとは何かを説明する基本的な内容から、位置情報、地理位置情報、不正検出、番号検証などの機能を中心に構築された実際の事例に至るまで、訪問者を案内しています。インタラクティブゾーンの一つでは、最初のネットワークAPIをオンボードする方法を探索し、開発者プラットフォームにフォーカスした商用トラックと技術トラックを見出すことができます。エリクソンはVerizon、AT&T、SAP、Telefónica、Deutsche Telekomなどのパートナーと協力しています。
エリクソンの広範な戦略シフトを実証
私たちエリクソンは、今年のMWCで戦略面でのシフトを実証しています。2025年の会場では、イノベーションとエンゲージメントを促進するオープンスペースと従来の招待制セクションを配置しました。
今年はブースの見た目や雰囲気を全く変えたいと考えていました。デザインと色彩をアップデートし、お客様やパートナーとのコラボレーションを強調するために、インタラクティブゾーンの数を減らす一方で展示を大きくすることにしました。私たちのブースに登壇したビジネスビルダーの20%は他企業から来ています。さらに参加するのが魅力的な新しい会議プログラムを立ち上げました。
これは非常に印象的な変化です。今回のイベントでお見せした主な変更の一つは、テクノロジーについてだけでなく、テクノロジーをどのように適用し、使うことができるかを探求したことです。
それは私たちにとってエキサイティングなことでした。エリクソンのお客様は、ネットワークで何ができるか、そしてネットワークをどのように収益化できるかに非常に熱心に取り組んでいます。
私たちのブースでは、プログラマブルネットワークがビジネスの運営方法をどのように変えるかをご紹介しました。エリクソンはアドゥナの業務の基盤として、性能と持続可能性を向上させるMassive MIMO(Massive Multiple Input, Multiple Output)ネットワーク、リモート無線、RAN Connectなどのエネルギー効率の高い新しいソリューションを展示しました。
たとえばオーストラリアのテルストラが最近エリクソンの5G AdvancedソフトウェアとOpen RANハードウェアを採用した高性能な5Gネットワークにアップグレードしたことで、開発者はこの新しいベンチャーを通じてネットワークAPIベースのサービスを最大限に活用できるようになります。こうしたイノベーションが、アドゥナの新たな機会の開拓に役立っている様子を見るのは興味深いことです。
これはネットワークAPIの旅の始まりにすぎません
アドゥナのブースを訪れた私は、私たちのチームとパートナーがこの未来を見据えた思慮深いブランドを作り上げたスピードを振り返らざるを得ません。ちょうど6か月前にベンチャーを発表したことを考えると、これは驚くべき成果です。
アドゥナにおける私たちの仕事には真の緊急性があります。アドゥナは単なる一企業ではありません。アドゥナは、どこにでも存在するモバイルネットワークの力を活用できるようにすることを使命とする大きな変革の触媒なのです。
市場とテクノロジーは急速に発展していますが、通信業界のグループがネットワークAPIの機会を活用するための窓が永遠に開いたままとは限りません。この取り組みは今すぐ行う必要があり、それを私たちが先導していることをとても誇りに思っています。
イノベーションを促進する方法をより深く掘り下げ、開発者またはパートナーとしてアドゥナに参加することにご関心がある場合はお問い合わせください。
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