過去20年間、デジタル技術は経済分野における米国のリーダーシップを牽引するのみならず、重要性が高まる国家安全保障の基盤としての役割も果たしてきました。通信ネットワークは道路、鉄道、電力インフラと同じくらい重要な国家インフラです。最近の国家アクターによる通信ネットワークへの侵入や妨害の試みは、「信頼性」がスローガンではなくセキュリティの基準でなければならない理由を強調しています。
今日の米国には、6GやAIといった重要分野でリーダーシップを維持し拡大する機会があり、また米国はその責任を負っています。
米国はエリクソンにとって最大かつ最も重要な市場であり、エリクソンは米国の技術エコシステムの不可欠な一部を担っていることを誇りに思っています。私たちは過去120年間にわたり通信機器サプライヤーとして米国で活動し、最近ではテキサス州に製造工場を持つ米国最大の5G機器メーカーとなりました。エリクソンは7,000人を超える従業員を抱え、複数の研究開発拠点と生産拠点を運営しています。
私が昨年書いたブログ記事「米国の5Gを次のレベルに上げるにはゲームチェンジングな手段が必要」では、米国へのコミットメントの詳細をご紹介しています。
協力こそが成功への道
デジタル技術のスタックは、5G/6G、クラウド、半導体、AIで構成されています。デジタルスタックにおける技術面のグローバルなリーダーシップは現在と将来の安全保障上の懸念の核心であり、国家のレジリエンスや地政学的状況に関する議論の中心にあることは驚きではありません。
しかしスケーラブルなデジタルスタックを生み出し、それを持続・発展させられるエコシステムを構築するために必要な規模を実現することは、たとえ米国であっても容易ではありません。
信頼できるデジタルエコシステムを構築するには、セキュリティ、オープン性、イノベーション、一貫した技術標準にコミットする国や他組織の協力が必要です。米国主導の地域間パートナーシップは、安全で独立した、パートナーと共に拡張可能なサプライチェーンを構築する上で不可欠です。この取り組みの一環として、SCS 9001のようなセキュリティおよびサプライチェーン標準の遵守により、エコシステム全体で検証可能な信頼が実現されます。
この方向に進むことで、市場の断片化、投資の重複、安全性に欠ける技術、一貫性のない標準といったリスクを伴うことなく、安全で信頼できるデジタルスタックを実現できます。
産業界と政府の協力も同様に重要です。相互運用可能なシステムは、多様な地政学的環境を横断して組織間で協力する環境を創出します。周波数帯の割り当てやオープンRANなどの分野で国際的に技術標準を整合させる取り組みは、コスト削減、競争促進、迅速なイノベーションの促進に不可欠です。
米国における長年の超党派の取り組みや、信頼できない通信機器の撤去・置き換えプログラムのような最近の動きは、重要インフラの保護に対する有望なコミットメントを示すものです。エリクソンは業界の代表者、政策立案者、同盟諸国と協力し、信頼できる技術プロバイダーがグローバルネットワークの進化を牽引することに強くコミットしています。
私たちエリクソンは、専門知識を共有し、資源を分かち合い、イノベーションを促進しつつ戦略的な経済的安全保障を維持する、エコシステムパートナーシップの促進に取り組んでいます。これはジョイントベンチャーであるアドゥナからシリコンバレーのクラウドおよび主要技術分野のパートナーシップを網羅する、多岐にわたる取り組みです。
米国はAIと6Gでリードしなくてはならない
デジタル化は自動化や電化と相互に補完し合いながら加速し、今後5〜10年の間に幅広く勢いを増していくでしょう。この業界横断的な相互作用は、AI、クラウド、モバイルという三つの基盤技術における急速な技術革新によって支えられるはずです。
無線接続はすでにAIスタックの重要な一部であり、AIサービスは、特にAIアプリケーションがエッジへ移行する中、信頼性が高く低遅延かつ保証されたアップリンク性能へのアクセスがなければ規模を拡大できません。信頼できる接続性は、世界的に推進され、拡大するアメリカのAIスタックを守るためにも不可欠です。
商用6Gは、2029年に最初の標準が利用可能となると想定すると、2030年頃に登場する見込みです。6Gは前世代の技術を基盤に発展しつつ進化し、新しいコンセプトも導入します。第一波の6Gは、すでに5G時代に登場していた技術やユースケースをさらに前進させるでしょう。
6Gの発展に伴い、新たなネットワーク技術はサービスの可能性を再定義し、ネットワークを超効率設計、無限の接続性、センシングと通信の統合、地上・空中・衛星をシームレスにつなぐカバレッジという新たなパラダイムへと導くでしょう。AIネイティブの機能を通じて、6Gは通信業界を完全自律型のネットワーク運用、つまり人の手が全く介在しないゼロタッチ運用に大きく近づけます。そしてAI-as-a-Serviceモデルによる新たな収益化の機会が見込まれます。またISAC(Integrated Sensing And Communications)は、ネットワークが「感知」できる範囲を大幅に広げるため、悪意あるアクターによる悪用を防ぐために、ガバナンスとサプライヤーの信頼性がこれまで以上に重要となります。
エリクソンはすでに商用6Gの初期ポートフォリオ計画やシステムのテストベッド化とトライアルを進めています。また米国の主要なパートナー、サプライヤー、顧客との協力を開始しています。
未来を見据えて: エリクソンは米国にとって適任なパートナー
競争とセキュリティ上の課題が深刻さを増す中、エリクソンは確固たる協力こそが唯一の道だと信じています。エリクソンは国内インフラに関する米国政府とのより深いパートナーシップを歓迎します。
エリクソンの今後の役割は、標準準拠の信頼できるマルチベンダーによるスタックの中で、オープンインタフェース、検証可能なセキュリティ、米国ベースの生産に貢献することです。政府、事業者、パートナーと協力して米国内のインフラを強化しつつ、開かれた競争力のあるグローバルなエコシステムを維持してまいります。
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