Far EasTone、エリクソンとのパートナーシップでネットゼロ目標に向けて前進

台湾のFET（Far EasTone）は、エリクソン（NASDAQ:ERIC）との戦略的パートナーシップを通じて脱炭素のネットゼロ目標を推進しています。エネルギー効率の高いハードウェア、革新的なソフトウェア、責任あるリサイクルにフォーカスしたこのコラボレーションは、包括的で持続可能なネットワーク最新化の取り組みを促進しています。両社は過去2年間で、旧型の無線機から500トン以上の電子廃棄物を再生利用しました。

GSMAの調査によると、世界のモバイルネットワークのエネルギー消費量の70%以上が無線アクセスネットワーク（RAN）に起因しています。ネットワークの性能とエネルギー効率のバランスをとることは、意欲的にネットゼロ目標に取り組む通信事業者にとって非常に重要です。

この課題に対処するため、FETはエリクソンのサービス継続AIアプリ・スイート（Service Continuity AI Apps Suite）を5Gネットワークに導入しました。このスイートはリアルタイム監視、トラフィック予測、性能最適化を自動化し、ユーザー体験に大きな影響を及ぼすことなく、サイトあたり一日平均で25%のエネルギー節減を達成します。こうしたAIアプリケーションを一部のサイトからFETの広域ネットワークに拡大することで、年間で約50,000トンのCO2排出量を削減できる可能性があります。

Asia Pacific Telecomから200万人のモバイル加入者を獲得したFETは、先進のEricsson Siliconを搭載したエリクソンの超軽量Massive MIMO無線機AIR 3219を活用し、TDD 2600MHz帯に2,300のサイトを追加しました。この解決方法はMU-MIMO（Multi-User MIMO）ソフトウェア機能によって、従来の無線機との比較でカバレッジを30%拡大し、ネットワーク容量を50%増やしました。さらにネットワーク容量は最大で170%まで拡大できる可能性があります。これによりネットワークの性能とエネルギー効率のバランスを取りながら、運用コストを削減できます。

FETのチー・チン（Chee Ching）社長は次のように述べています。「FETはビッグデータ、AI、IoTを活用して低炭素運用とデジタルトランスフォーメーションに取り組んでいます。エリクソンとの提携により、高度なハードウェアとAIを使って5Gネットワークを最適化し、エネルギー消費を大幅に削減しました。さらにエリクソンの製品回収プログラムを通じ、ネットワークの最新化において98%以上のリサイクル率を達成しました。これは2050年までにネットゼロ目標を達成するというFETの強いコミットメントを示すものです」

2005年に開始されたエリクソンの製品回収プログラムは、製品のライフサイクル終了時の環境への影響を最小限に抑え、それらの製品を高い環境基準に従って処理することを目指しています。FETはエリクソンの製品回収プログラムに参加した最初の台湾の通信事業者として、2022年以降に旧式の無線機から出た500トン以上の電子廃棄物を再生利用しており、埋め立て処理された廃棄物は2%未満です。

エリクソン台湾社長のデビッド・チョウ（David Chou）は次のように述べています。「モバイルネットワークのトラフィックは今後6年間で3倍になると推定されており、エネルギー曲線の上昇を抑えるにはネットワークの最新化が重要になります。サステナビリティ主導のアプローチで高性能なネットワークを構築するお客様をサポートしながら、環境への影響を最小限に抑えた循環型経済を私達の社会で実現することは、エリクソンの最優先事項です」

FETとエリクソンは、20年以上にわたって長期的なパートナーシップを維持してきました。両社はMWC24（Mobile World Congress 2024）において、スマートでエネルギー効率が高く、強靭なモバイルネットワークの構築にコミットするBeyond 5GのMoU（Memorandum of Understanding）に署名しました。

関連リンク
Ericsson and Far EasTone: Sustainable healthy network
Ericsson Network Services
Massive MIMO solutions accelerate 5G mid-band