タイン港が英国で初めて港湾全体にプライベートネットワークの展開を開始
本資料は2023年11月1日に発表された報道資料の抄訳です。
- BTおよびエリクソンと提携し、5Gプライベートネットワークとスマート港湾技術を敷地全体に展開
- 自律走行車、測量用ドローン、スマート監視、人工知能(AI)、拡張現実(XR)といった将来の5Gアプリケーションを設定
- 海事産業における業務合理化、安全性向上、CO2排出量削減、イノベーションの推進という長期ビジョンの中核をなす低遅延接続
英国で最大かつ最も重要な港の一つであるタイン港は、安全性、効率性、持続可能性のモデルとなる最先端のスマート港湾を目指すビジョンをまとめ、4G/5Gのプライベートネットワーク接続を立ち上げました。
タイン港がパートナーのBTおよびエリクソン(NASDAQ:ERIC)と共に敷地全体に展開したプライベートネットワークは、英国で初めてスマート港湾アプリケーション用4G/5Gスタンドアローン接続を施設全体に展開した事例となりました。エリクソンのプライベート5GソリューションとBTの保有する周波数帯をベースに構築されたこのインフラでは4Gと5Gの両方が同時に稼働し、レガシーデバイスをサポートするのみならず、港の将来の変革に向けた新しい5Gアプリケーションを実現します。
11月には、施設の各ゲートに設置されたビデオとセンサーで車両のアクセスを安全に管理・トラックするナンバープレート自動認識(Automatic Number Plate Recognition, ANPR)、岸壁での5Gの360度カメラとAIドリブンのソフトウェアを組み合わせたコンテナの自動検査と識別を含む、最初の商用ユースケースを開始する予定です。
プライベート5G無線ネットワークを展開することで、タイン港は、将来の一連の5Gアプリケーションと高度技術を統合して新しい顧客要件をサポートし、環境に優しいスマート港湾への移行が可能となりました。これらの将来のアプリケーションには次のものが含まれます。
- 港湾内で車両が貨物や機器を移動できるようにする自律ナビゲーション技術
- 正確な位置情報、フルHD+動画、触覚を備えた模擬運転台から操作できるリモートクレーン
- クレーン、岸壁、ブイなどの物理インフラを陸海で自律的に点検するドローン
- 没入型トレーニングやリモート保守エンジニアに使われるウェアラブル技術とXRデバイス
- 港湾内外のAIセンサー、動画、データソースからなる「接続されたエコシステム」により、新たなビジネスインテリジェンスを生成して運用効率を向上させる、
タイン港はまた、5Gによる海事産業のイノベーションのリーダーとなり、業界エコシステムの実験の場として、人力作業の自動化、意思決定の改善、CO2排出量削減を実現する将来の5Gスマートアプリケーションの設計を支援するという野心的なビジョンを掲げています。
タイン港は海事産業のイノベーションの将来について、11月7日~9日の3日間のMaritime Innovation Week 2023で詳しく説明します。
タイン港CEOのマシュー・ビートン(Matthew Beeton)氏は次のように述べています。「タイン港の目標達成を支援する上で5Gが重要な役割を果たすと信じています。私たちは業務を合理化し、安全性と持続可能性を高め、海事産業とそれ以外の産業の成長とイノベーションを推進できます。シームレスな接続性で世界中の海運会社、物流業者、規制当局をつなぐことで、気候変動やサイバーセキュリティの脅威などの地球規模の課題に対処するために、より効果的に協力できるはずです」
BTの企業・公共部門を統括するアシーシ・グプタ(Ashish Gupta)氏は次のように述べています。「5Gがこれほどエキサイティングなのは、企業がより速く、より安全に、よりスマートに、より良く物事を行うのに役立つ革新的なユースケースを実現できるからです。タイン港では、危険な環境で自律型機械を使えるようにして人々を危険から遠ざけ、新しいテクノロジーを導入して港湾の効率を高めるデジタルな基盤を築きます」
エリクソンの専用ネットワークおよび企業無線ソリューション部門担当副社長、ダンカン・ホーキンス(Duncan Hawkins)は次のように述べています。「エリクソンはBTおよびタイン港と共に、5G港湾のビジョンを現実のものにします。今回のこの展開は、英国と世界の海事分野のイノベーションの素晴らしいモデルとなるはずです。5Gは、新しいアプリケーションやユースケースを活用して港湾業務の変革や事業効率を高め、持続可能性の向上と将来の経済成長の青写真を描くために必要となるカバレッジ、速度、低遅延性といった必要な特性をもたらします」