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      今後10年間で見込まれるアップリンクトラフィックの増加

      AI、クラウド、モバイルがアップリンクトラフィックの大幅な増加を牽引

      次の言語でもお読みいただけます。:

      AI、クラウド、モバイルの開発と融合の加速は、将来のトラフィックパターンを根本的に変え、今後10年間でモバイルネットワークのアップリンク需要が大幅に伸長すると見込まれます。

      主な知見

      AI 、クラウド、モバイルが融合するにつれて、デバイスは常時データをクラウドへ送信し、リアルタイムの学習とパーソナライゼーションを行うようになります。この継続的なフィードバックループにより、アップリンクトラフィックが急激に増加します。 

      AR/AI グラスはクラウド上の大規模AIモデルを使う一方、 AV ( Autonomous Vehicle )やドロイドはトレーニングや遠隔機能のために大容量データセットを送信するため、アップリンクトラフィック増加の主要因となっています。 

      アップリンクの増加に備え、関連する 5G SA ( Standalone )ネットワーク機能が利用可能になりつつあります。 

      インテリジェントなデバイスのクラウドベース処理への依存が高まるにつれて、かつてないほどのデータがアップリンクへ流れています。この変化は単なるアップリンク需要の急増にとどまらず複雑です。 AV/AR グラスなどの AI 駆動のシステムは継続的にデータをクラウドに送信しますが、端末内のインテリジェンス、圧縮、スマートデータ伝送の進歩により、データの送出方法やタイミングが変化しつつあります。その結果ネットワークは高まるリアルタイムなクラウド需要と、帯域幅利用を持続可能に保つための効率性の両立をサポートする必要があるため、動的なバランスが生じています。この相互作用を理解することは、コネクテッド・インテリジェンスの次の波に備えるための鍵となります。 

      AI 、クラウド、モバイルの融合

      AI 、クラウドコンピューティング、モバイルテクノロジーの融合は、デジタル時代における最も大きな変革の一つです。これらが連携することで、インテリジェンス、スケーラビリティ、アクセシビリティが相互補完的に強化し合う強力なエコシステムを形成します。クラウドプラットフォームは、高度な AI モデルの展開とトレーニングに必要な計算インフラとストレージ容量を提供します。モバイルデバイスは、 AI を活用しするクラウドサービスを提供するためのデータ供給であり、エンドユーザーインタフェースとしても機能し、コンテキストを意識したパーソナライズされた体験をリアルタイムで実現します。ネットワークはクラウドとデバイスの間にユビキタスかつ信頼性の高い接続を提供します。 

       

      クラウド上で稼働する AI モデルは、膨大なデータセットを処理してモバイルユーザーに即時に洞察を提供できます。具体的には、スマートアシスタントの高度化、リアルタイムの言語翻訳、物流や医療業務の最適化などが挙げられます。つまり、モバイルデバイスはエンドポイントだけでなくデータの生成源としても機能し、コンテキスト情報(位置、行動、センサーデータなど)の継続的なストリームをクラウドに送信し、フィードバックループを通じて A Iモデルの精度を高めます。 

       

      図 23: アップリンクトラフィックの将来の推進要因

      アップリンクトラフィックの将来の推進要因
      インフォグラフィック:アップリンクトラフィックの将来ドライバーを示すもの。 短期的には、「AIグラス/AI対応デバイスのアーリーアダプターによる、プロアクティブなアシスタンスの提供」。 中期的には、「スマートフォン、AI/ARグラスなどにおけるAIアシスタントの消費者利用の拡大」。 長期的には、「自動運転車、ヒューマノイドロボットなどの登場と普及」。

      将来のアップリンクトラフィック増加の推進要因

      前述の融合が進むことで、データレートはさらに増加し、とりわけアップリンクで顕著になります。 

       

      たとえば企業や産業分野では、 5G ネイティブ対応のノートPC 、 AI 対応の IoT ( Internet of Things )デバイス、自動運転車、ヒューマノイド型ドロイド、ドローンからのアップリンクに、大量のアップリンク容量が必要になります。自動運転車やドロイドは多くのトレーニングデータを収集し、法律上の要件からデータを保管し、場合によってはリモート介入を必要とするため、大量のデータをクラウドに送信します。消費者分野では、パーソナライズされたエージェントが、スマートフォンや AIやARグラスなどの新たなデバイスや、それに類するコンパニオンデバイス上で使われるでしょう。オンデマンドで起動されるデバイスもあれば、常時稼働するエージェントもあります。 

       

      結果としてアップリンクトラフィックは今後数年間で大幅に増加する見込みで、実際にそれは通信における新たな「通貨」になりつつあります。このトレンドは短期的には AI グラスの早期導入が牽引し、中期的には AI/AR グラス上の AI アシスタントの大規模導入、長期的には自動運転車および場合によってはヒューマノイド型ドロイドの本格展開によって推進されることが予測されます。 

       

      このようなアップリンクトラフィックの増加に効果的に対処するため、 5G SA で利用可能なキャリアアグリゲーション(CA )や Massive MIMO (M-MIMO )などの進歩により、 FDD ( Frequency Division Duplex )帯と TDD ( Time Division Duplex )帯の両方でスペクトルをより柔軟かつ効率的に使えるようになっています。 

       

      たとえばアップリンクトラフィックをローバンド FDD キャリアに固定してカバレッジを最大化し、 FDD M-MIMO で拡張して容量を増やすことができます。一方、 FDD とミッドバンド TDD キャリア間のアグリゲーションにより、 TDD M-MIMO を活用してスループットと総合的な性能を向上させることで、ダウンリンクの容量を増強できます。 

       

      現在の AI グラスのアップリンク要件

      米国では現在までに大手メーカーのスマートグラスが約 200 万台販売されています。市場浸透率は約1% に達し、今後は年間数百万台を販売するという目標が掲げられています。これらの販売を後押ししている成功要因は、グラスからの映像と音声の入力に基づいて没入的な体験を提供する AI エージェントにユーザーを接続することにあります。 

       

      今後一部のモデルでは、グラス自体またはテザリングしたデバイスで AI 機能が搭載、及び使用される見込みです。ただし高度な AI 機能はクラウドで実行する必要があるため、モデルの推論遅延を短く抑える必要がある場合は、アップリンク側のネットワーク特性が重要になります。 

       

      最近発表されたスマートグラスモデルの動画キャプチャ解像度は、 1,440×1,920 ピクセルとされています。マルチモーダル AI によるオンデマンド型のインタラクションでは、通常利用時に 5 〜 10 FPS ( Frames Per Second )のフレームレートが必要です。一方、常時稼働型のエージェントは、 5〜10 秒ごとに 1 フレームなど、より低く動的に変化するフレームレートを用いる可能性があります。オンデマンド型 AI エージェントでは、圧縮率が約 0.1 bpp ( bits per pixel )の動画コーデックを用いることが可能です。指定の解像度と 5 FPS のフレームレートの場合、アップリンクで約 1.4 Mbps をもたらします。これらの AI エージェントのユーザーのうち約 20% を1日 100 分の「パワーユーザー」、残りの 80% を1日 10 分の「一般ユーザー」と仮定すると、平均利用時間は 1 日 28 分となります。 

       

      常時稼働型の AI エージェントは、約  0.5 bpp の画像圧縮を用いる必要があります。指定のされた解像度と約  0.1  FPSのフレームレートでは、約  0.14 Mbps をもたらします。この場合、 AI エージェントが 1 日約 8 時間稼働していることが想定されます。 

       

      現在、世界平均のベースラインである月間約 2 GB に対するアップリンクの割合の増加を図  24 に示します。これらの前提の下でユーザーごとに見ると、常時稼働型 AI のエージェントはオンデマンド型 AI エージェントよりもアップリンクトラフィックをわずかに多く発生させます。デバイスの浸透率については、図 24 の x 軸の値で示されている通り、常時稼働型の AI エージェントを選好するユーザーと、オンデマンドを選好するユーザーが混在します。したがって、将来の需要はこれら 2 つの曲線の間の範囲に収まると見込まれます。アップリンクにおけるトラフィック増加の潜在性は、ネットワーク容量計画、スペクトル割り当て、 RAN 機能の強化の重要性を改めて強調します。 

       

      図24: 今日のアップリンクベースラインと AI/AR グラスの普及率から見たアップリンクトラフィックの増加

      将来の需要は、オンデマンド型AIエージェントと常時稼働型AIエージェントの間のどこかに位置することになる

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