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顧客体験こそが新しい通貨

顧客体験こそが新しい通貨

ロイヤルティの向上とカスタマイズされた顧客体験によるビジネス機会の創出

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Singtelにとって、業績を向上させながらカスタマイズされた体験を提供し、消費者により多くの価値をもたらす機会を開拓することは重要な優先事項です

重要な知見

Singtelは議論の焦点を「データ量」から「高品質な性能」へと移し、デジタル世界におけるユーザー体験を中心に据えることを目指しています。

差別化された接続の商用化は、5Gスタンドアロン(SA)上に構築された製品の開発に全社横断で注力することで達成されました。

アプリケーション中心型への移行は、カスタマイズされた体験の進化と事業成果の双方にとって重要です。

シンガポールはニューヨーク市とほぼ同じ大きさの島国で、人口は約600万人です。
2022年、Singtelのネットワーク構築により、世界で初めて全国5G SAカバレッジ(95%)を達成しました。2025年には既存カバレッジに5Gローバンド(700 MHz)を追加し、特に屋内浸透性を改善した信頼性の高い全国カバレッジを実現しました。早期導入の優位性により、Singtelは5G SAがもたらす機会を活用する製品・サービスを開発することができました。

ビジネスとテクノロジーの融合

5G SAへの早期導入は、戦略的優先事項を明確に示すものでした。データバケットのサイズを増やすことは競争優位にはならず、重点は「データ量」から「データの差別化」へ移行し、「体験」を新しい価値尺度とすることでした。これは技術とマーケティング両面の挑戦であり、全社的アプローチが必要でした。Singtelは5G SAを戦略的資産と位置付け、それを最大限に活用、商用化する新たな働き方を組み込み、事業変革を進めました。

技術的には、消費者、企業、産業各分野で異なる性能レベルを支えるには、堅牢で柔軟なネットワークが不可欠です。ネットワークスライシング、高度なトラフィック管理、エンドツーエンドの品質保証機構などの重要なイネーブラーにより、一貫して予測可能な性能を提供できます。こうした機能を通じて、デバイスやアプリケーションのエコシステムと統合し、シームレスなユーザー体験を確保しました。

ビジネス面では、差別化された接続はユーザーのニーズやユースケースに密接に連動するときに最大の効果を発揮します。企業は遅延保証、信頼性、セキュリティ保証を重視し、消費者はゲームやストリーミング、没入型アプリ体験の向上を求めています。差別化された接続は単なるネットワーク機能ではなく、技術、ビジネス、エコシステムのパートナー協働による顧客価値提案です。成功には明確な消費者収益化モデル、事業成果ドリブンの企業向けサービスが不可欠です。

Singtelは、組織全体で共通言語を構築し、技術部門と商務部門の障壁を取り除く
ことで、差別化接続技術と価値提案を組み合わせたカスタマイズ体験を提供する統一目標を形成しました。

Singtel

本記事は、消費者と企業の両方に次世代通信、5G、テクノロジーサービスからインフォテインメントまで、幅広いサービスポートを消費者と企業に提供するアジアの大手通信技術グルー プ、Singtelと共同で執筆されました。

図16: Singtelの5G+商用サービスの構成

  5G+ 5G+ Enhanced 5G+ Priority
接続性 Network PLUS – 700 MHz
カバレッジPLUS – 屋内深くのカバレッジ
Network PLUS – 700 MHz
カバレッジPLUS – 屋内深くのカバレッジ
強化ネットワーク –
2倍高速
エンハンストローミング –
信頼できるパート
Network PLUS – 700 MHz
カバレッジPLUS – 屋内深くのカバレッジ
優先車線 –
4倍高速
優先ローミング –
第一選択肢のパートナー
サービス   強化されたセキュリティ – セキュリティ保護ソ
フトウェア
Enhanced care –
年中無休のホットライン
優先セキュリティ – Mobile Protect
優先ケア –
専用の店舗サービスと年中無休の
ホットライン
その他の特典   強化されたセール – 最新の端末 優先割引 – アクセサリー類15%割引
95%

Singtelは2022年に全国5G SAカバレッジ95%を達成済みです。

 

データ量から大規模な性能差別化へ

通信業界は、規模と提案の多様性の両面で成長する差別化された接続サービスを模索しています。2025、Singtelは初の全国商用サービス「5G+」を導入しました。これは3階層構造で利用者は自らのニーズに合わせた体験レベルを選択できます。これらの階層はネットワークスライシング機能によって支えられ、さらに製品としての価値提案、強化されたサイバーセキュリティ、限定的なユーザー体験や特典によって付加価値が高められています。 

5G+はエントリーレベルのパッケージで、既存のすべての5G契約者がこのベースプランへ移行しました。このプランは信頼性の高い全国カバレッジを提供し、利用者は希望する接続性能や体験のニーズに応じてプランをさらに強化することができます。

5G+ Enhancedは、混雑した状況において最大2倍の速度を提供するためにネットワークスライシングを活用しています加えて、ローミング機能の改善やより強固なセキュリティも備えていますこのパッケージには、接続ニーズが高まった瞬間に「優先ブーストパス」を通じてアップグレードできる柔軟性も含まれています。強化されたセキュリティ、ローミング、カスタマーケアは、プレミアムストリーミングアプリケーションのプロモーション契約とともにバンドルされ、全体としての価値提案を構築しています

5G+ Priorityは最高位の階層であり、やはりネットワークスライシングを基盤としていますが、混雑した状況でも最大4倍の速度とネットワーク優先権、限定特典、専用カスタマーケアを提供します。このプランの採用を促進するため、既存のトップティアプラン契約者には無料でアップグレードが行われました。より広い帯域幅、超低遅延、そして高速接続によって、ユーザーは滑らかなストリーミング、極めて応答性の高いゲーム、中断のないビデオ通話といった、より優れたデジタル体験を享受できるようになります。

ユーザーはトラフィックの多い場所やピーク時においてもシームレスな接続を享受できます。このプランにはローカル通信時とローミング中の両方を保護する「security-as-a-slice 」サービスであるMobile Protectが含まれており、高度なリアルタイム監視によって優先的なセキュリティを提供します。

体験こそが新しい通貨

今回のローンチに向けたネットワーク開発は、すべてのユーザーにおける体験の差別化に重点が置かれていました。例えば、Singtelが全国規模で5Gローバンド(700 MHz)のカバレッジを達成した際、高層建築物内や地下空間、遠隔地域における信号強度が最大40%向上しました。この改善は、すべてのSingtel 5Gユーザーの基本体験を再定義するために活用され、ネットワーク満足度に強く影響する重要要素の一つに対応しています。最近の調査では、シンガポールの15歳から69歳までの5G利用者のネットワーク満足度に影響を与える要因として、屋内カバレッジが第2位に挙げられています¹。 

またSingtel5G+契約者全員が、コンサート、ゲームマラソン、動画ストリーミングの長時間視聴などの場面で「優先ブースト」サービスによる強化された接続へアクセスできます。これを実現するためにSingtelはネットワーク、ビジネスサポートシステム、ITシステムの全領域で連携を構築し、こうしたサービスの提供準備に必要な時間を短縮しました。結果として、ユーザーは必要な瞬間に即座にサービスを購入できるようになりました。

2025年の消費者調査によると、シンガポールの利用者の3分の1はネットワーク性能の保証に対して支払ってもよいと考えています²さらに最近の調査では8%の利用者が重要な瞬間に有効化できる時間単位での接続ブーストに関心を持ち、25%が接続性能の向上を提供する月額サブスクリプションに関心をしめしました。

これらの新しい性能ベースのプランはまだ導入初期段階にあります。しかし初期調査結果では5G+ Priorityプラン加入者の満足度が高く、混雑した状況でも約束された4倍速の提供を受けられることに大きな喜びを感じています例えば最近開催されたレディー・ガガのコンサートでは、5G+ Priority 利用者が速度の向上を実感し、メッセージ送信や動画のSNSアップロードを問題無く行えたと報告しています特筆すべきは頻繁にコンサートに行く利用者の32%が、過去のコンサートと比較して優れたネットワーク体験を得られたと回答している点です。このようなポジティブな評価は、体験を新たな価値尺度として定義し、ネットワークに関する議論の焦点を「データ量からデータの差別化」や「カスタマイズされた体験」へ移す上で大きな一歩となります 

40%

全国的な5Gローバンドカバレッジにより、屋内の信号強度が40%増加しました。 

 

市場開拓

5G+ EnhancedプランとPriorityプランは、発売からわずか数か月で多くの利用者がより厳しい接続ニーズに対応するために選択し、順調に加入者数を伸ばしています。成功のカギは、ネットワークスライシングのような高度かつ複雑な技術コンセプトを利用者にとってわかりやすく、かつ身近な価値として伝える市場教育にあります。これは、混雑したコンサートから人混みの多い都市エリアといった現実の使用状況で、一貫してより良い性能が得られることを強調するということです。このメッセージは、消費者の関心を「どれだけのデータ容量があるか」から「必要なときにネットワークがどれほど信頼できるか」へと移すものであり、顧客価値認識を転換させる狙いがあります

Singtelは、画一的なアプローチを超え、カスタマイズされた体験に注力することで、消費者ロイヤルティを強化し、新しい収益源を開拓することを目指しています。そのためには多様な消費者ニーズに合わせた差別化されたサービスを提供することが重要です。例えば国内外の利用者へのリアルタイム監視セキュリティソリューションを提供、混雑地域でのアクセス保証、企業向けの信頼性が高く安全でカスタマイズ可能なサービスなどが含まれます 

図17:Singtelのゲーミングスライス

Singtelのゲーミングスライス
Diagram showing the paths of a gaming slice versus a default slice, showing the additional priority given to the gaming slice.

5G Advanced Latency Priority Scheduling – プレイヤーのコマンドやゲーム内アニメーションなど、タイムクリティカルなゲームデータを識別して優先順位を付け、リアルタイムのゲームプレイの遅延を軽減するテクノロジー

Source: Singtel press release, “Singtel and Tencent Games to launch Honor of Kings” (4 September, 2025).

アプリケーション中心性の高まり

利用者の多様なニーズを満たすカスタマイズされた体験を提供するには、よりアプリケーション中心な方向でユーザー体験を最適化することが必要です。例えばSingtelはすでにURSP(User Equipment Route Selection Policyでスライス機能を試験しており、コンテンツパートナーと協力してコンテンツ動画、ゲームアプリでこの機能を収益化しています。図17、5G Advanced Latency Priority Schedulingを使ってプレイヤーコマンドやゲーム内アニメーションなどのタイムクリティカルなゲームデータを識別して優先順位を付け、ゲームのプレイ時の遅延を減らす方法を示しています。

こうした取り組みは今後のデジタル体験の未来を形成すると目されている人口知能(AI)と拡張現実(XR)という最も革新的な二つの動向においてさらに重要になります。AIはパーソナライゼーション、自動化、インテリジェンスのエンジンとなり、ネットワークの自己最適化やリアルタイムサービス調整、企業運営の効率化を可能にします。XRデバイスやアプリケーションは、没入型エンターテインメント、トレーニング、リモートコラボレーション、産業用途などを通じて、人々とデジタル世界との関わり方の限界を拡張します。

Singtelにとって特に注目すべきは、この二つの融合です。AIXR体験をシームレスかつ適応的でアクセスしやすいものにするために不可欠であり、5G接続はそれをいつでもどこでも確実に提供するための低遅延・高帯域幅の基盤を担います。近い将来、AI駆動のXRサービスはパイロットから本格導入に移行しそれによって消費者・企業双方に新たな機会を創出し、差別化された接続の価値を一層引き上げるとSingtelは期待しています。この成功を支えるのは、効率的な個別体験を提供するアプリケーション中心型の大規模マス市場向け展開です。スマートグラスが提供する新しいデバイスやユーザーインターフェースと相まって、これらは新たな収益源を切り開くことになります。 

QoD用ネットワークAPI

将来的にアプリケーション中心の提案を強化できるかどうかは、QoDQuality-on-DemandAPIを介して差別化された接続を使えるようにできるかにかかっていますQoD APIは、企業やアプリケーションが遅延やスループットなどの特定のネットワークパラメーターを動的に要求できるインタフェース提供します。これにより、トラフィック負荷の高い状況下ネットワーク性能向上させ、特定サービスのニーズに合わせ接続調整が可能になります。Singtelは、APIゲートウェイを積極的に試験導入し、それをQoD APIとネットワークエクスポージャー拡張しています。これによって、次世代デジタルサービスの主要なイネーブラーとすることで、ゲーム、ストリーミング、没入型XR体験にリアルタイムのブーストを提供しています。SingtelQoD API将来的に収益化の機会をもたらす可能性を認識しています。しかし、それをスケーラブルで収益性の高いものにするためには、通信業界全体として解決すべき課題があります。具体的には、ネットワークの複雑さ、断片化されたエコシステム、相互運用性および運用実装における標準化の不足などですSingtel5G SAや差別化された接続性と同様に適切なタイミング迅速かつ自信を持って拡張できるよう早期から取り組みを開始し、必要な必要な知識基盤を蓄積することが重要だと考えています。 

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References

1
Ericsson ConsumerLab research (2025).