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[Tech Unveiled] 新しい集中型無線アクセスネットワークとフロントホールの可能性を探る

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5Gでは、ミッドバンドとハイバンドの利用により投資決定が異なってくることから、集中型無線アクセスネットワーク(Centralized RAN [CRAN])により関心が集まっています。CRANにはいくつかのメリットがあり、そのメリットを享受するためには、通信事業者は既存のネットワークを調査しCRANへの移行に適しているかどうかを検討しなくてはなりません。*本ブログは2021年5月19日投稿の英語版の抄訳です。

Strategic Product Manager, Cloud RAN Portfolio

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CRANという言葉は何年も前から存在し、Centralized RAN、Coordinated RAN、Cloud RANなど、さまざまな意味で使われてきました。今回のブログではCoordinated RANやCloud RANについても触れますが、「Centralized RAN」としてのCRANについてお話します。CRANは、最も一般的な展開方法である分散型無線アクセスネットワーク(De-centralized RAN [DRAN])を代替するものです。DRANでは、各アンテナ局の処理はすべてそれぞれのアンテナ局でローカルに行われます。一方のCRANでは、複数のアンテナ局の処理の大部分がCRANハブで行われます。RANのプロトコルスタックには、さまざまな分割方法があります。このブログでは、レイヤー3、レイヤー2、レイヤー1の一部をCRANハブで処理する、レイヤ―1のLLS(Lower Layer Split)に注目したいと思います。

CRAN

 

DRANでは、アンテナ局からコアネットワークまでのトランスポート部をバックホールと呼びますが、CRANでは、アンテナ局とCRANデータセンター間のインタフェースをフロントホールと呼びます。一般的にフロントホールはバックホールと比べて、より短い遅延とより広い帯域幅が必要です。現在のフロントホールのトランスポートは、通常はダークファイバー(アンテナ局とCRANハブを結ぶポイントツーポイント接続)を利用しています。

5Gで何が変わるのか?

通信事業者は、ミッドバンドとハイバンドの周波数帯資産を使った5Gサービスを始めています。これらの帯域は5Gの大容量通信を可能にする一方で、トランスポートネットワークに新たな要件をもたらすため、さらなる投資が必要となります。つまり通信事業者は、バックホールの容量を拡大するか、フロントホールに投資してCRANアーキテクチャーに移行するかの選択を迫られます。
ではCRANのメリットとは何でしょう。以下に三つの点を挙げました。

  1. アンテナ局の簡素化処理を中央局に移すことで、局の設置面積、電源や予備バッテリーの要件を下げることができます。これは次のような場合にメリットがあります。
    - スペースが限られている既存局の容量を拡張する場合
    - 新しいサイトを取得する場合 (特にマイクロセルやスモールセルの展開に重要)
  2. 局間協調面のメリット複数のアンテナ局の処理を同一のデータセンターに集中させることで、キャリアアグリゲーションやUL CoMP(UpLink Coordinated Multi-Point reception)といった、高度な局間協調機能を容易に実現できます。
  3. 運用面のメリット:CRANは複数の局の無線機を処理し容量拡張を容易化できるため、ハードウェアの稼働率が向上します

しかしこれらのCRANのメリットを享受するためには、通信事業者は既存のネットワークを調査し、CRANへの移行に適しているかどうかを検討しなくてはなりません。ここではCRANのビジネスケースを説明するため、2パターンの展開例を見てみましょう

シナリオ1 - トラフィック量が中程度の郊外エリア

このシナリオでは、トラフィックの増加が緩やかな郊外エリアに局が存在していることとします。ネットワークはマクロ局のみでマイクロセルがない均質な構成とし、通信事業者は5Gに対応するため容量を拡大できるマイクロ波バックホールを有しています。

CRANで得られる可能性のあるメリット

  • アンテナ局の簡素化についてはそれほど大きい効果はありません。なぜなら予備バッテリーやバックホール機器などを格納するキャビネットがいずれにしても必要になるからです。
  • 局間協調面のメリットについても、ネットワークが均質な構成であるため、あまり大きくはありません。
  • 運用面のメリットについては、トラフィックの増加が緩やかなエリアでは、通常は既存の局に周波数帯を追加することで対応できるため、あまり大きくはありません

CRANのコスト

  • このシナリオでのフロントホールへの投資は、マイクロ波バックホールの容量を拡大するために必要な投資と比較して、はるかに高額となります。
  • 通信事業者はデータセンターへのアクセスがないため、データセンターへの投資が高額な追加費用となります。
suburban area with moderate traffic

 

このケースでは、CRANを導入するメリットよりもコストの方が大きいため、DRANのままマイクロ波バックホールの拡張に投資するのが最善であると考えられます。

シナリオ2 - トラフィック量が多い密集した都市部

二つ目のシナリオでは、トラフィックが急増している過密な都市部に局が存在しているものとします。ネットワークはマクロセルとマイクロセルの両方で構成される不均一なネットワークで、通信事業者は既存のファイバーやハブまたはデータセンター施設へのアクセスを有しています。

CRANで得られる可能性のあるメリット

  • アンテナ局の簡素化については、このシナリオではマイクロセルがあるため、簡素化により大きなメリットが得られます。
  • 局間協調面のメリットについては、このシナリオは不均一な構成のネットワークであるため、マイクロセルとマクロレイヤー間の協調により、RANの性能が向上します。
  • 運用面のメリットについては、トラフィックの急増に伴って局の拡張や高密度化が頻繁に必要となり、CRANによりこれらを簡略化できるのでより大きくなります。またその他にも、マクロセル、マイクロ/スモールセル間のHWプールによる利得があります。

CRANのコスト

  • このシナリオでは、通信事業者がファイバーへの既存の投資を再利用できるため、フロントホールへの投資ははるかに少なくて済みます。
  • データセンターへの投資も同様で、既存の場所に容量を追加するだけで済みます。
dense urban area and high traffic


上の図に示すように、このシナリオではメリットがコストを明らかに上回ります。そのためCRANを選択することが賢明と考えられます。二つのシナリオを用いて、通信事業者がCRANを展開する際に考慮すべきことを説明しましたが、その他にも、HLS(Higher Layer Split)で接続されたミリ波の分散処理(L1、L2)を、CRANハブの処理(L3)と組み合わせるなど、様々な可能性があります。

CRAN展開を選択する際に重要な検討事項

1.フロントホールの検討事項

CRANでは、フロントホールはDRANのバックホール接続と比較して、より厳しい遅延要件、容量要件、同期要件を実現しなくてはなりません。フロントホークネットワークがそれを実現できない場合(非理想的なフロントホールなど)、スペクトル効率が低下し、それを補うために多くの無線機が必要になる可能性があります。最悪の場合、劣化により同期が取れなくなったり、不安定になったりして、サービスが完全に停止してしまうこともあります。

RANの領域でファイバーを最大限に利用するためには、無線CPRIカスケーディング、多数の無線の共通の大容量CPRIインタフェースへの多重化、複数の無線を時分割多重化したハイバンドフロントホールの共有など、さまざまな方法があります。フロントホールネットワークを構築する際に、フロントホールツールキットで利用できるその他のコスト削減方法には以下があります。

光フロントホール

DWDM(Dense Wavelength Division Multiplexing)は、1本のファイバーに複数の波長を多重化することでファイバーの効率を向上できる成熟したよく確立された技術です。フロントホールネットワークにDWDMを活用することで、ファイバーにかかるコストを削減し、スループットを向上できます。

パケットフロントホール

パケット化されたフロントホールは、フロントホールゲートウェイを使用してCPRIインタフェースの無線をeCPRI(enhanced CPRI interface)に変換することで、従来型の無線機に実装することもできますし、新しいM-MIMO(Massive MIMO)無線機に最初から実装することもできます。またパケットフロントホールは、標準のイーサネットインタフェースを持つCOTSサーバ上で稼働するクラウドRANを実現します。さらに帯域幅を大幅に縮小し、同じ接続で他のイーサネットベースのサービスを可能にします。このトピックについて、詳しくはこちらのブログをご覧ください。

マイクロ波ベースのフロントホール

最後に、フロントホールネットワークの厳しい要件を満たすよう設計された、大容量のマイクロ波ソリューションがあります。これはCRANで、光ファイバーを補完するものとして利用できます。たとえば屋上の局をファイバーによるフロントホールネットワークに接続することが難しい場合、マイクロ波のホップを使って別の屋上局に接続し、そこからファイバー経由でデータセンターに接続することができます。

結論として、最適な光フロントホールソリューションは、ファイバーが利用できるか、CPRIとeCPRI無線のどちらがよいか、マクロセルやマイクロセルなどのアンテナ局の種類など、多くの要因に依存します

2.RAN処理の検討事項

5Gコアをエッジやファーエッジに分散化することで、CRANの処理とのシナジー効果が生まれます。通信事業者は中央局でのRAN処理に、専用HWまたはクラウドインフラを選択できます。より柔軟なリソース拡大が可能なクラウドRANでは、RANのワークロードをコアやエッジのコンピュートの負荷と同じように管理することで、シナジー効果を実現できる可能性を秘めています。一方の専用HWは、RANの処理ユニット、整流器、予備バッテリーの電力消費と設置面積を最小限に抑えることができます。RAN処理のオプションについて、くわしくは以前公開したTech Unveiledブログをご覧ください。

通信事業者の現在の状況に対応するエリクソンの幅広いポートフォリオとノウハウ

現時点でCRANアーキテクチャーで展開されている4G/5Gのアンテナ局数にはさまざまな推定値がありますが、世界平均は割合で見ると一桁で、既存の局の90%以上がDRANアーキテクチャーで展開されていることになります。しかしCRANは、ネットワークの特定のエリアでDRANを補完するものとして成長するでしょう。

エリクソンには、分散型と集中型両方の局を構築する専門知識とソリューションがあります。CRANに関して、エリクソンは専用RANとクラウドRANの両方のポートフォリオを提供しています。またフロントホールの構築に関しては、WDM、パケットフロントホール、マイクロ波ソリューションを含む包括的なポートフォリオを提供しています。

エリクソンは、ネットワーク全体をカバーする幅広いポートフォリオをお客様にご提供します。

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