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世界のモバイルネットワークのエネルギー消費削減への取り組み

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繰り返す異常気象の夏とCOP26(26th UN Climate Change Conference)を経て、誰もが環境への懸念を口にします。持続可能な開発はエリクソンの使命の一部です。そこでエリクソンのインテリジェントRANオートメーションが持続可能な未来へいかに貢献できるかを考え、この問題の解決に寄与する方法を考えてみましょう。 *本ブログは2022年1月11日投稿の英語版の抄訳です。

Strategic Product Management

世界のモバイルネットワークのエネルギー消費削減への取り組み

Strategic Product Management

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世界のモバイルネットワークのエネルギー消費はホットな話題です。エネルギーを使うことで発生するCO2排出とコストは、通信業界の最大の課題の一つです。ネットワークで利用される複数のエネルギーソースがカーボンニュートラルではなく、その一部を化石燃料に依存する限り、モバイルネットワークの運用は温室効果ガスの大気中への排出につながります。つまりモバイルネットワークをよりスマートに使ってエネルギー消費を減らすことで、温室効果ガスの排出を減らすことができるのです。

エネルギー消費が増え続ければ、おそらくエネルギーの価格も上昇します。いずれにせよネットワークの運用コストは上昇するので、それとエネルギー価格の高騰が組み合わされれば、総所有コストは上昇します。エネルギー消費の問題に取り組むには、通信業界が一丸となって努力しなくてはなりません。この問題をあらゆる角度から検討し、あらゆる可能性を探る必要があるのです。

不都合な真実:RANの場合

問題を解決するための最初の一歩は、問題があることを認めることです。そのためエリクソンのネットワーク分析機能は、複数の通信世代にわたるエネルギー消費の観測機能をサポートしています。ここでの主な悪役は基地局のエネルギー消費です。ネットワークのエネルギーの約85%をRAN(Radio Access Network)の基地局が、残りの15%をデータセンターが消費します。クラウドRANの場合はこの割合がさらに高まる可能性があります。

エリクソンが近々導入するインテリジェントオートメーションプラットフォームは、将来のエネルギー節約マネジャーなどのrAppをサポートします。エネルギー節約マネジャーは、起動する省エネ機能とその構成を一元的に決定できます。

インテリジェントRANオートメーションに関するエリクソンの考え方は、最大の効果を得るために、個々のユースケースごとに集中制御と分散制御を選択できるようにすることです。エネルギー効率を高めるには、まず集中制御で複数の局から得たデータの分析に基づいた総体的な意思決定を実現します。次にこの分析結果を使って、全体的なエネルギー消費を減らしつつKPIと性能を最大化する最適なローカル設定を生成します。

通信事業者はさらに一歩進んで、データ収集と分析を改善することで、優先順位付けについて積極的な意思決定を行うことができます。これには、KPIを下げることでエネルギーをさらに節減する可能性(及び下げる程度)を検討することも含まれます。省エネ目標とKPI目標を達成あるいは調整できるかは、ネットワーク内の位置に依存するかも知れません。

グローバルに考えローカルに行動する:ノードレベル

ノードのレベルでエネルギーを節約するには、エネルギー分析機能をサポートするためのエネルギー計測機能が必要です。MIMOスリープは、容量が十分でない状況で無駄を最小限に抑えてユーザー体験を維持する効率的な機能です。かつては人力による構成が必要であったため、時間がかかり効率が低い点が課題でした。この課題を克服するため、私たちはAIベースのMIMOスリープを導入しました。これはパラメーター設定を自動化してノードでの人力作業を減らし、機能の性能(KPIと省エネの両方)を向上させます。詳細はPoCの結果をご覧ください。

AIを利用したMIMOスリープモードなどの機能により、現在のリソース使用のパラダイムを最大限に活用できます。ノードの省エネに関する次の飛躍は、パラダイムシフトからもたらされるでしょう。現在のリソースは定義上「always on」の状態であり、トラフィックの状況が許せば電源を切るか低電力モードに入ります。将来的には、必要になるまでリソースが休止する「always available」パラダイムへ移行すると考えています。インテリジェントな予測により、リソースを必要なときに有効にできるのです。AIベースの機能を使うことで正確なトラフィック予測を実行し、ユーザーに同じ優れた性能を提供しつつエネルギーをより一層節約できます。

近未来の展望

私たちは、将来的にはRL(Reinforcement Learning:強化学習)の採用により、省エネ性能とネットワーク性能をさらに向上できると考えています。RLは、モバイルネットワークを構成する動的で複雑かつ高負荷の環境で特に有用です。

RLを特に省エネ目的でネットワークに導入する方法はいくつかあります。エリクソンがアンテナのRET(Remote Electrical Tilt)へRLを成功裡に適用した二つの試験はその一例です。一見それほど複雑な話ではないように見えますが、アンテナを傾けるたびにアンテナが入っているセルの形状が変わります。これは対象のセルとその周囲のセルが提供するユーザー体験に影響し、周囲のアンテナをさらに傾斜させることで、ネットワークにカスケード効果が発生します。印象的な例として、単一のライブネットワークでERP削減を狙った最適化を行うことで、エリクソンとパートナーの通信事業者は、性能に影響を与えることなくDLの送信電力を20%減らしました。

RLはまた、大規模で複雑なオーケストレーションの機会を増やします。例えば省エネ機能をトラフィック制御機能に統合することで、ネットワーク内で最もエネルギー効率の高いリソースにトラフィックをルーティングできます。これにより、トラフィック制御スキームが稼働している間、他のリソースのディープスリープを実現できます。

一歩下がってネットワークとそのライフサイクル全体を見ると、今日すでに展開されている機能だけでなく、将来展開される機能の最適化についても真剣に検討する必要があることは明白でしょう。世界の大部分が5G展開の真っ只中にある今、何をどこに展開するかを考えることは特に重要です。

非常に単純に言えば、よりスマートで正確な展開により、必要なハードウェアとネットワークの環境負荷を低減できます。コグニティブソフトウェアスイートには、これをサポートする複数の機能があります。これにはトラフィック予測のための容量計画機能、展開に最適な場所を決定する局選択機能、ネットワーク設計に使われるモデルを最適化するRF設計機能が含まれます。結果としてコストと環境両面で負荷を軽減する最適化されたネットワークレイアウトがもたらされます。

Earth hour、毎時間

エリクソンは、ビジネスは持続可能な環境でのみ繁栄できることを知っています。もちろんEarth hourとは異なり、モバイルネットワークの電源を切ることはできないため、毎時間最適化しなくてはなりません。私たちはこの課題を真剣に受け止め、モバイルネットワークとそのライフサイクル全体にソリューションを提供します。私たちはこれが現在と将来の世代に利益をもたらすと信じています。

モバイルネットワークのCO2排出量を削減し、エネルギー効率を高める方法について詳しくお知りになりたい場合は、どうぞエリクソンにご相談ください。

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