- COP27で大きな進展が見られず、市民グループの間では、政府が気候変動対策への取り組みにおいてリーダーシップを発揮していないという感覚が高まっています。
- 最近の「We Mean Business」や「We Don’t Have Time」といった企業連合が示すように、経済界が政府に代わってリーダーシップを発揮することになるでしょう。
- COP27で浮かび上がった希望の光は「Loss and Damage」の資金提供の合意です。しかし「Green Climate Fund」の厳しい教訓を見ると、これにも時間がかかるかも知れません*本ブログは2022年12月19日投稿の英語版の抄訳です。
10月の初め、私はこれまでの人生で経験したことがないほど劇的な気候変動をスウェーデンで経験しました。北部は冬、中部は秋、南部は夏だったのです。
その翌月、COP27が開催されるシャルムエルシェイクに向かうために故郷のストックホルムを出発したとき、過去最高の14度の気温の元、青く澄んだ空へと飛行機が飛び立ったことを覚えています。数日後に私が戻ったとき、この好天は、通常ストックホルムに最初の雪が降る時期より数週間前に到来した突然の激しい吹雪がもたらした雪の毛布に取って代わられていました。
こうしたスウェーデンの異常気象は、私たち全員が温暖化気候の影響のもとに暮らしていることを思い出させる例の一つにすぎません。
COP27のまとめ: 政府は気候変動対策に本気で取り組んでいるか?
昨年グラスゴーで開催されたCOP26では、世界の平均気温上昇を産業革命前のレベルから1.5°C以内に抑えるというパリ協定の公約を指した「keep the 1.5 alive」というのが決まり文句でした。
今COP27を振り返ってみると、言説に大きな変化があったと感じています。すでに私たちは、緩和(1.5°C目標の維持)のための話し合いから、1.5°Cの危険なしきい値の超過を見越した状況への適応のための話し合いに移っています。今や私たち人間は、周りから次々と自然が失われていくこの新しい暖かい世界でどのように生きていくのかを理解しなくてはなりません。
今週発表された研究(スウェーデン語のリンク)は、ここスウェーデンですでに1.5°Cを超えていることを示しています。SMHIによる長期的な観測の大規模な分析は、1991年~2020年におけるスウェーデンの平均気温が1861年~1890年の期間と比べて1.9°C上昇したことを示しています。これは同じ期間の世界平均(0.9°C)の約2倍です。
この温暖化と気候変動対策の欠如は、ここスウェーデンでは確かに見過ごされてはいません。最近グレタ・トゥーンベリ(Greta Thurnberg)氏と他の600人の若いスウェーデン人は、気候変動を止めるための適切な措置を講じなかったとして、スウェーデン政府に対して集団訴訟を起こしました。この訴訟は、世界に広がる気候関連の法的手続きの波の一部であり、一部は各国の政府を対象としています。
世界各国の政府に行動が見られないことへの不満は、COP27の会場でも明らかでした。600人以上の化石燃料業界ロビイストと一部の政府は、P26の段階的縮小に同意を求めるインドの提案に反対しました。
また会場では、国連の気候変動対策へのマスコットである恐竜のフランキーが歩き回っていました。マスコットは、化石燃料の燃焼によるCO2排出量増加が引き起こす差し迫った破滅を警告し、化石燃料への補助金に費やされる数十億ドルを思いとどまらせるために、「絶滅を選ばないで」と書かれた看板を持っていました。
しかし皮肉なことに、COP28は世界最大の石油輸出国の一つであるUAEが主催することになっています。COPの概念全体に疑問が呈されるのはごく自然でしょう。たとえば、COP27から戻った後、チームのメンバーから、こうした会議が緊急事態への取り組みにおいてリーダーシップを期待できるのかという疑問の声が上がりました。
これが私の話のポイントです。政府が気候変動との戦いでリーダーシップを発揮できないのであれば、誰にそれができるのでしょう?
出典:国連|国連開発計画
ビジネスの役割と気候変動対策
ここで登場するのがビジネスリーダーです。COP27の代表団が化石燃料問題をごまかそうとしているとき、憂慮する何百もの企業が集まった「We Mean Business Coalition」は、1.5°Cを「目標ではなく限界」だと宣言しました。またエリクソンのパートナーである「We Don't Have Time」が開始した「We Can Do It」キャンペーンには725人のビジネスリーダーが署名し、合計1,800億米ドルの資金を集めました。
もちろん気候変動対策は包括的なものでなくてはならず、効果を発揮するには、政府の上層部に手が届く必要があります。しかし企業には果たすべき強い役割があり、政府が外交プロセスで立ち往生している間、多くの企業が不足を補ってきました。
これはまた、官民パートナーシップの真の力が発揮される局面でもあります。官民の両者が共通の目的に参加することで、指数関数的な結果をもたらすことができるはずです。
COP27では多くの企業と市民社会の関与が見られました。COP外の5,000万人以上に放送されたCOP27 Climate Hubのパートナーとして、この問題への意識向上に影響を与えられたことを願っています。放送は行動を喚起するものであり、ネットゼロ目標を設定する企業が増えていますが、残念ながら他社よりも関心が薄い企業も見られます。
たとえばグリーンウォッシングはこれらのイベントでも相変わらず見られています。だからこそ私たちはパートナーと協力し、適切なレベルの気候変動対策がどのようなもので、そしてなぜそれが科学に基づいて構築されるべきかを世界に広めたいと考えています。改善された新しいネットゼロ基準と1.5°Cの限界を維持するために必要なレベルを遵守していない企業を問いただすことは私たちの責任です。
損失と損害とは?
COP27で、気候災害によって大きな打撃を受けた脆弱な国々に被害のための資金を提供する画期的な協定が調印されたニュースをご覧になったかもしれません。これは気候変動対策の成功例と見なすべきですが、基金の詳細はまだ具体化されていません。
策定中の文書は、さまざまな資金源からの財政支援の必要性を認めていますが、誰が基金を支払うべきか、この資金がどこから来るのか、どの国が恩恵を受けるかについての決定は行われていません。
これは画期的なもので重要ですが、潜在的な問題をはらむものでもあります。
基金の設立には時間がかかり、実際の排出削減目標から目を離すと、損害の請求がさらに増える異常気象の未来が近づく可能性があります。
2015年のパリ協定で設立され、各国が2020年までに年間1,000億米ドルを調達することを約束した緑の気候基金への資金提供でも、すでに問題が見られました。資金提供の誓約がようやく実現したのは今年になってからです。
しかし私たちは現在、損失と被害を被った国々だけでなく、他の気候適応のニーズも並行して確実に支援していく必要があります。これは排出を回避し、こうした国々を、非常に多くの国が経済を構築するためこれまで辿ってきた誤った道へと進ませないことと密接に関わっています。
私たちには行動する機会があります。すでに述べたように、産業界側の全員がさらに踏み込んで、移行を実現するために何が必要で、必要な行動にどのように投資するかを政策立案者側に伝える必要があります。
2023年にも私たちの影響力と行動を拡大し、COP28を実りあるものにしましょう。私たちの全員が圧力を行使することで、政策立案者を大胆な政策に進ませ、化石燃料の段階的廃止に完全に同意させることができるかもしれません。
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