世界中の5Gネットワークの数は指数関数的に増加しており、現時点では北米、ヨーロッパ、インド、極東が最も高い普及率を示していますが、他地域のCSP(Communications Service Providers)にも、先行した地域に学ぶことで、短時間で先行者に追いつける大きな可能性があります。
それを行う方法は多くの要素に左右されますが、既存のLTEインフラから本格的な5G SA(Standalone)ネットワークにどれだけ迅速に移行できるかが、最も重要な要素の一つです。
現在の5Gの状況
本ブログ執筆の時点で60か国を超える国々で5Gのエリクソンネットワークが稼働しており、5大陸で150近くの商用ライブネットワークをエリクソンは支えています。これにはアフリカ、アジア、オーストラリア、欧州、北米の複数のCSPが含まれます。エリクソンがサポートしているこれらのネットワークのうち、25のネットワークが5G SAの商用公共ネットワークです。
5Gを導入するにはさまざまな方法がありますが、エリクソンでは、CSPが5G展開のどの段階にいるかに基づいて、選択肢を四つに分けました。
- 選択肢 1 - LTE からNSA(Non-Standalone) インフラに移行した CSP
- 選択肢 2 - 最初に NSA に移行してからSA に移行し、両方の組み合わせを運用している CSP。複雑性が少ないネットワークアーキテクチャーである選択肢3に移行する途上にある。
- 選択肢3 – 選択肢2から進んだCSPとNSAを完全に飛ばしてSAに直接移行したCSP
- 選択肢4 – ゼロから始めてSAインフラに直接移行する CSP (たとえば新しいグリーンフィールド事業者や他業界へのプライベートネットワーク展開)
当然だと思いますが、現在最も多いのは、LTEインフラ上に5Gを展開するCSPによる選択肢1です。これはすでにLTE依存のNSAを展開しているCSPに開かれた道ですが、選択肢2に移行したり、選択肢3のSA 5Gインフラに直接移行したりすることで、大きなメリットが得られます。
5G展開の選択肢
CSPがそこに至るまでの道のりがどうあれ、通信業界の共通認識は、5Gの可能性を最大限に引き出し、それが提供するビジネスチャンスを実現したい場合、目標となるアーキテクチャーは間違いなくSAであるということです。
5Gをできるだけ早く稼働させたいと考えた多くのCSPにとって、LTEを維持してNSAインフラをその上に追加することが唯一の選択肢であり選択肢1の採用となりました。取り組みを始めたときにはSAソリューションがなかったので、NSAルートをたどるしかありませんでした。またLTEをフォールバックとして使う機能も提供されました。
しかし5G導入の最初の波に遅れたCSPにとって、状況は変化しました。SAネットワークは試用・試験され、現在すでに導入されており、そのエコシステムも存在しています。このおかげでインドのJioなどの一部の事業者は、SAに直接移行できています。
またSAを大規模に展開してその全土をカバーしている国の例もあり、政府や事業者が将来への投資方法を検討する中で、そのようなアーキテクチャーが現実の世界でどう機能するかを観測することへの関心が高まっています。
エリクソンはすべての先進的なSA市場をサポート
5G SAへの最適な道
LTEネットワークに投資した通信事業者にはその投資収益率を最大化したいというもっともな願望があり、それがNSAインフラへの移行を魅力的なものにしています。
5Gの初期段階では、事業者は既存のLTEの周波数帯を使い、それを新しいミッドバンドTDDの周波数帯と集約することで、より高いピークスループットを得ることができるというのが間違えのない動きでした。
その後SAが登場した時点では、NSAがSAよりも高いスループットを提供していたため、NSAのスループットとSAのスループットのギャップを埋めることが課題でした。当然ながらアーリーアダプターはSAへの移行を急いでおらず、スループットが低下する可能性もありましたが、時が経つにつれて、この懸念には根拠がないことが判明しています。
またスループットは、最適な道のりを決定する計算に含まれる一つの要素に過ぎません。スループットにかかわらず、SAはNSAネットワークよりも高い効率、優れた周波数帯利用率、より信頼性の高い接続、より低い遅延を提供します。
SAは、消費者と企業により多くのユースケースの可能性をもたらします。5G SAはまた、複数の顧客セグメントのネットワークスライシングの機会をスピードアップし、スマート製造やIoT主導のイノベーションなどのソリューションを可能にするインフラを企業に提供すると同時に、より優れた一貫性のあるサービス体験を消費者に提供します。より柔軟な加入者サービスの開発と提供方法を可能にするので、CSPにとっては大きな前進です。
なぜ5Gスタンドアローンなのか
独自の利点とNSA
問題はタイミングː SAに移行する適切な時期とは?
5Gの可能性を解き放つ
SAは優れた性能、サービスの差別化、さまざまな新しいビジネスの実行方法とプロセスを可能にし、5Gの可能性を最大限に引き出すという点で重要です。
5G SAネットワークに関しては、SA アーキテクチャーによる新しい差別化されたサービスの提供を可能にする一貫したユーザー体験を実現するために、連続的なカバレッジを備えたミッドバンドTDD(Time Division Duplex)の展開が重要です。
FDDと比較して帯域幅と容量が大きいため、しばしば5GミッドバンドTDDは5G展開のスイートスポットと説明されます。アップリンクカバレッジが制限されるという問題がありますが、これはキャリアアグリゲーションを使ってミッドバンドのダウンリンクセルカバレッジ全体を増やし、より多くのユーザーにアクセスを提供することで克服できます。5Gは4Gより高速で優れたサービスを約束していますが、そのような約束を達成できるのはミッドバンドTDDを通してのみです。
展開自体に関しては、多くの場合は最も価値の高い地域から始め、次に残った地域に対応するセグメント毎アプローチの採用をお勧めします。たとえば急成長している特定の地域では、Industry 4.0をサポートする5G SAネットワ ークが緊急に必要であり、その後、消費者がエンターテインメントをストリーミングしたり、オンラインでゲームをプレイしたりする住宅地での開発が進むかも知れません。その場合は、その時点で最大の可能性を秘めている産業セグメントに最初に対応し、次に消費者志向のセグメントに対応することが最も理にかなっています。
十分に根拠のあるこの計画的な方法で5G SAをセグメントとゾーンごとに展開することで、均質な5Gカバレッジとセッションの継続性を保証し、完全なSAカバレッジと全国的なユースケースで5Gのビジネスの可能性に対応し、トラフィックと収益両方の急速な成長を実現します。
言うまでもなく、現在の通信業界におけるほぼすべての開発努力はSA機能の開発に集中しており、エリクソンはすでにこれらの開発に対応し、サポートするための重要な機能を導入しています。
SAの主な利点
SAは、LTEおよびNSAインフラに比べて多くの重要な利点を提供し、それらの多くは、CSPとその顧客の両方にとって5Gのビジネス価値の中核を成しています。
利点の一つは、従来はLTEのカバレッジがなかった地域に5Gを展開し、接続が困難な屋内空間から遠隔地のルーラルエリアに至るすべてをネットワークに取り込むことです。SAへの移行により、4Gから5Gへの迅速な移行が可能になり、LTEネットワークの負荷が軽減され、運用が簡素化されます。
将来的には、SAへの直接移行に伴う二つの大きな利点が見出されることでしょう。まず一点は、エネルギー効率がはるかに向上することで、コスト削減と持続可能性に優れたネットワークにつながること、もう一点は、5G機能の次の波に対応する将来性を備えたインフラが、投資を検討しているCSPに安心感を与えることです。
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