FDDとTDDの周波数帯域でのデータ通信とVoNR(and Voice over New Radio)通話両方の成果は、ウェアラブル、センサー、産業用監視カメラなどのデバイスの新規と既存の5Gユースケースをより優れたバッテリー効率で強化するRAN(Radio Access Network)ソフトウェアとしての、エリクソンRedCapの力を実証するものとなりました。
IoDT(Interoperability Development Testing)は、スウェーデンのエリクソンの研究所で、商用化前のエリクソンRedCapソフトウェアとメディアテックのRedCap試験プラットフォームを使って行われました。
試験ではFDDデータ呼を実行して下り220Mbps、上り74Mbpsのスループット速度を達成し、また下り153Mbps、上り13.5MbpsのTDDデータ呼を実施しました。こうした通信速度は、エリクソンRedCapが実現する消費者向けウェアラブルや産業用センサーなどのデバイスに適していると考えられます。
FDDは上りと下りに異なる周波数帯を使いますが、TDDは上りと下りの両方に単一の周波数帯を使い、両方を瞬時に切り替えます。
エリクソンの5G RAN製品部門の責任者、シベル・トムバス(Sibel Tombaz)は次のように語っています。「エリクソンのリデュースドケイパビリティソフトウェアは、5G性能の全てを必ずしも必要としない新しいタイプのデバイスに新しい可能性を開きます。こうしたFDDおよびTDD呼は、その取り組みの重要な最初のマイルストーンです。エリクソンRedCapはFDDおよびTDD帯でデータ通信とVoNRの両方を実現することで、コスト効率とエネルギー効率の両方を満たす方法で、消費者と産業の両方にとってまったく新しいユースケースを開拓する製品です」
メディアテックのワイヤレス通信システム兼パートナーシップ担当ジェネラルマネージャーのHC・ワン 博士(Dr. HC Hwang)は次のように述べています。「エリクソンとの協力によるIoDTの成功は、RedCap市場にとって重要なマイルストーンとなります。エリクソンとメディアテックがFDDとTDDの両方で実証した業界をリードする通信速度は、RedCapの有効性を実証するもので、新世代の革新的な5G製品とサービスの可能性を拓く可能性をお客様に保証します」
メディアテックとの相互運用性試験は、複数の種類の5Gデバイスを市場に投入するために必要なエコシステムを構築するエリクソンの取り組みの一環であり、エリクソンRedCapは、エリクソンが提供する5G SA(Standalone)ネットワークへのソフトウェア追加として、2023年11月に商用導入化される予定です。
新しいハードウェアを要せずに、5Gネットワ ークに接続できる新しいタイプのデバイスのエコシステムが強化されることでしょう。
この拡張されたNRデバイスのエコシステムは、その新機能により、さらに多くの5Gユースケースの成長を刺激するはずです。エリクソンRedCapは、5Gネットワーク上の複雑性の少ないデバイスが必要とする機能に集中することで、この分野で重要な役割を果たします。このアプローチは、現在の5Gテクノロジーの高機能を必ずしも必要としない費用効果が高い多様なユースケースを促進します。
このソフトウェアソリューションは、バッテリーの大幅な長寿命化を必要とするデバイスのニーズを満たすために、無駄を減らしてデバイスのエネルギー消費を最適化する手順もサポートします。