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[Tech Unveiled] RANエネルギー効率化対応のための包括的アプローチ

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モバイル業界にとり、エネルギー課題がなぜこれほど重要なのでしょうか?モバイルネットワークには、何よりも、信頼できるリモートワークやビデオ会議の提供し移動や通勤の必要性を減らし、全世界のエネルギー消費を削減できるポテンシャルがあります。ネットワークの絶対的なエネルギー消費量削減を目指す中、2025年までに予想されるトラヒック4倍増に対応するため5Gをどの様に拡大できるかについて、本ブログの著者Johan Hultell、Michael Begley が明らかにします。*本ブログは2021年12月16日投稿の英語版の抄訳です。

Head of Remote Radio Units

Head of Product Line RAN Compute

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寄稿者 (+1)

Head of Product Line RAN Compute

過去10年間にわたり、モバイルトラヒックはほぼ300倍に増加しました。テクノロジーの進化により、サービスプロバイダーは全世界のエネルギー消費量を64%増のみ[91TWh(テラワット)から推定150TWh]に抑えつつこのトラヒックの伸びに対応することができました。モバイルネットワークは現在既に社会全体のエネルギー消費量純減を実現していますが、モバイルネットワーク自体が大量のエネルギーを消費していることは言及して良いでしょう。上述の推定150TWhは、全世界の電気使用量の0.6%、またはスウェーデンの様な小国の年間電気使用料に相当し、サービスプロバイダーにとっては年間支出額250億米ドルに相当します。

5Gが発展するにつれ、エネルギーリスクはさらに高まります。5Gのテクノロジーは、新しくより優れたサービスを約束していますが、これは、事業者たちが新規の5G周波数帯域に対応する無線装置を幅広いスケールで展開して初めて実現可能となります。そのため、新しく、改善されたサービスに対する消費者や諸産業の期待に応え、2025年までに予想されるトラヒック4倍増に対処するために、ネットワークの絶対的エネルギー消費量削減を同時に目指しつつ、いかに5Gを拡大するかが弊社や他のテレコムベンダーの課題となります。

Ericsson Radio System によるエネルギー効率化のアプローチ

RAN(Radio Access Network:無線アクセスネットワーク) の本質は、カバレッジの全国展開およびサービス機能の提供にあります。単独の無線装置により提供されるカバレッジと容量は限定されるため、これは、信号の送受信元となりうる何千もの無線サイトの展開により実現されます。無線サイトおよび無線装置の数は、往々にして、コアネットワークノード数の10,000倍以上となる可能性があります。この数字の大きな乖離のため、サービスプロバイダーのネットワークによる電力消費量の内RANが75%以上を占めることは驚くことではありません。RANのエネルギー効率は、消費者や産業に優れたエクスペリエンスを提供しながらエネルギー消費量を制御する唯一の方法であるため、現在も今後もサービスプロバイダーにとり重要性が増します。

エネルギー効率は弊社の最重要課題であり、また、容量増に対する需要とともに、新しいコンポーネント、製品、および機能の開発にひもづきます。過去数年間、弊社は、Massive MIMO無線装置は最大50%、弊社マルチバンド対応無線装置は前世代比で最大20% エネルギー効率を改善する等、著しいステップを踏んできました。同時に、弊社ベースバンド群は、競業他社より同容量提供時のエネルギー効率が30~60%以上高いのです。全体的に、提供GBあたりの消費電力を著しく削減するための次のステップを踏み出す上で、望ましい道筋ができています。

エリクソンは、2025年に向けてネットワークのエネルギ―消費量削減を目指すと同時に、高品質、高性能の5Gエクスペリエンスを提供することに高い意欲を持っています。この目標を達成するため、RANエネルギー効率に対応する複数のソリューションがあります。これらは、製品設計から現場での運用まで、製品耐用期間全体に適用されます。弊社のアプローチの概要は以下の通りです:

  • エネルギー効率が最大で能力のある製品を設計
  • 高度なソフトウェアにより展開された製品のエネルギー消費量を最適化
  • インテリジェントなサイト運用を実現

これらについて更に詳しく見てみましょう。

エネルギー効率が最大で能力のある製品を設計

4Gから5Gへの移行により、コンピュート要件が莫大に増加します。これまで150倍以上増加しています。では、この5Gでの変化の原動力となっているものは何でしょうか?処理要件を見てみると、5Gの推進要素は、デジタルフロントエンド、レイヤー1の処理、およびビームフォーミングです。LTEを例に取ってみると、2010年、LTEは主に単独の20MHzキャリアから構成されており、2本の受信用、2本の送信用ブランチを備えた無線装置を使用し、TTI(Transmission Time Interval:伝送時間間隔)は1ミリ秒でした。5G時代の2021年に話を進めると、典型的に100MHzキャリアが使用されており、帯域幅は10年前の5倍となっています。さらにMIMOの無線装置では、64本の受信用、64本の送信用ブランチがあり、LTEの無線装置時代の32倍です。また、伝送時間間隔(TTI)は0.5ミリ秒です。言い換えると、半分の時間で160倍の処理を行っていることになります。

5Gには一般的なコンピュートソリューションが使用できるとはいえ、 真に、最大のエネルギー効率で5G性能を提供するためには専用のシリコンが必要です。エリクソンのSystem on a Chip(SoC)の設計は、この実現に最適なソリューションです。目的を特化した専用のエリクソンシリコンにより、より小型でより軽量な無線装置を作ることができます。正しく実施すれば、当シリコンは、エネルギー消費量を削減し、発熱量をほぼなくすと同時に、高パフォーマンスを実現するでしょう。弊社は、2016年から2021にかけ、シリコン自体の中でエネルギー効率を7倍に高めることができています。

エネルギー効率実現のための決定的に重要なもう一つの要素は、送信される信号生成に使用される、無線装置内のPA(増幅器)です。無線装置の電力消費量は製品全体でまちまちであることは当然ながら、典型的に、PAは無線装置の電力消費量の60%以上を占めます。結果として、無線用ハードウェアの効率は、高効率GaNや広帯域PA技術によるマルチバンド無線装置を採用することにより、単独のパッケージに、より多くの個々のステップを継続的に統合することで使用される特定送信出力や設定に対する最適化が可能です。もちろん、これらテクノロジーの改善は、無線装置に内在するものと、RANコンピュートにあるものの両方で、適正なソフトウェアソリューションによって完成される必要があります。この様に、弊社は無線装置の電力消費量を著しく低減できます。

高効率の電力増幅器により、当シリコンの低い発熱量とも合わせて、無線装置にアクティブ冷却ではなくパッシブ冷却を使用でき、フォームファクターが小型で軽量であるという非常に望ましい条件を維持できます。

このことは、例えば改修のための入局回数が減るより堅牢なソリューションにつながり、環境に対しても全体的にプラスに影響します。実例としてエリクソンとVodafone社は、ロンドンでのトライアルでAIR3227を使ってエネルギー消費を前の無線装置の世代比で半減させました。

新Massive MIMO無線装置AIR 3227により、エネルギ―効率が直ちに改善する

図1: 新Massive MIMO無線装置AIR 3227により、エネルギ―効率が直ちに改善する

注目すべき最後のテクノロジートレンドは、複数の無線装置の機能を単独の物理ユニットに効果的に組み合わせることができるマルチバンド技術です。より多くのコンポーネントを同じ無線装置に統合することにより、エネルギー効率およびサイズ・重量が大きく改善できます。これは、弊社が最近発表した無線装置6626のように、トラヒックが全帯域で同時にピーク化することがめったに、または、決してないことを利用しています。異なる帯域間でダイナミックに電力を共有できるマルチバンドPA技術は一例です。この様に、ある帯域でピーク電力を完全に得られつつも、全帯域でピーク電力向けのPAのダイメンショニングは不要であり、これにより電力のプ―ル化を実現しながら電力消費が低いPAを使用できます。

RAN Computeを見てみると、エリクソンシリコンファミリー SoCは、重量、サイズ、エネルギー効率を最適化すると同時に、高パフォーマンスを発揮するソリューションを提供するための重要なコンポーネントです。業界のベンチマークと比較すると、RAN Computeのポートフォリオは消費電力が30から60% 低くなっています(下図参照)。

業界をリードするRAN コンピュートの電力消費量

図2: 業界をリードするRAN コンピュートの電力消費量

高度なソフトウェアにより展開された製品のエネルギー消費を最適化

ネットワークに無線製品が一旦展開された際、無線装置にとり決定的に重要なことは以下の通りです:

  1. 消費されたワットあたり送信されるデータ量の最大化
  2. アイドル状態および未使用時、消費する電力をほぼなくす
  3. 革新的なソフトウェアソリューションを利用する

エリクソンは、無線装置およびRANコンピュート全体に分散する、統合されたハードウェアおよびソフトウェアアーキテクチャーを開発しました。これにより、マルチスタンダードな環境での即時的なトラヒック状況やサイト設定を考慮しながら、超高速な判断(マイクロ秒毎)が可能です。当アーキテクチャーは、様々なRAN装置全体に分散する諸機能、アルゴリズム、情報を利用して、RANのエネルギー消費を制御・最適化する複数の方法を提供します。 エネルギー消費量最適化のための、最近の、かつ、効率的な機能例を紹介します:

  • ディープスリープソフトウェア 機能は、低トラヒック時のマッシブMIMO無線装置の最大70%のエネルギー消費量を削減可能です。
  • マイクロスリープTX は、送信不要な時、コンポーネント(例:電力増幅器)の電源をオフにすることでエネルギー消費量を削減します。統合型アーキテクチャーを活かし、新しいデータ到着時は常に、次の送信に間に合うようマイクロ秒で電源をオンにする機能の具備により、フルネットワークパフォーマンスを発揮します。ネットワークパフォーマンスが確保できるため、全トラヒックシナリオに適用でき、毎時に、例えば2G、4G、5G、NB-IoTのあらゆる組み合わせに適用できます。
  • エネルギー効率が最大の帯域にトラヒックを移行させる                 キャリアアグリゲーションは、ローバンドを活用して、ミッドバンドのカバレッジを拡張します。サービスプロバイダーが100MHzキャリアを持つことが多い、エネルギー効率に優れた5G帯にデータを移行させることにより、送信されたビットあたりのエネルギー量を1/10にできます。同時に、消費者のエクスペリエンスは著しく改善されます。
  • 既存ハードウェアの最大活用                             
    エリクソンスペクトラムシェアリングの様な革新的ソリューションにより、性能を犠牲にすることなく既存4G帯域上に5Gを展開する方法がサービスプロバイダーに提供されると同時に、展開済みハードウェアを再利用し、サービス開始初日から5Gの全国カバレッジを実現できます。

インテリジェントなサイト運用を実現

人工知能(AI)を利用することにより、サービスプロバイダーは、より効率的にサイトインフラを運用できるほか、積極的にエネルギー消費量を最小化できます。上述の通り、ディープスリープ、マイクロスリープTXの様な高度な節電用ソフトウェア機能により、リモートおよびマッシブMIMO無線装置のエネルギー消費量を削減できます。サービス継続性 により、いつ、どのサイトで当該機能を活性化するかをダイナミックに判断することで、このRANに導入された能力を補完します。弊社のインテリジェントなRAN節電ソリューションでは、データ量やユーザー等のトラヒックの動きに基づき、ネットワーク全体のセルをモデル化します。高度な機械学習技術を使用し、セルの閉塞やソフトロックを伴わずに、ネットワーク全体で無線機レベルの粒度でディープスリープ節電機能の活性化、不活性化を自動的に判断します。その結果、スリープ時間を少なくとも13%延長でき、さらに節電量を増加できます。

別の例に、Energy Infrastructure Operations (EIO)があります。AIや高度データアナリティクスを使用してネットワークインフラ全体でエネルギー消費量を最適化するエネルギー管理ソリューションであり、パッシブ装置も含みます。AIや高度なアナリティクスの利用により、サービスプロバイダーは、エネルギー関連のOPEXを約15%削減できるほか、エネルギー関連支出を約30%削減できます。

包括的アプローチが重要である理由

RANのエネルギー効率化という難題を解決する特効薬はありません。ネットワーク全体を包括的に見て、あらゆる角度からRANのエネルギ―効率化に対処する必要があります。

エリクソンは、ワールドクラスのエネルギー効率と合わせ、高パフォーマンスを提供するネットワークソリューションを継続的に提供していきます。2025年に向け、全体的なエネルギー消費量削減を目指すと同時に5Gを拡大することは、実現可能であると信じています。これは、最先端のハードウェア、高度なソフトウェア、ネットワークのインテリジェントな運用を組み合わせることで実現でき、同時に、消費者や産業向けに最高のエンドユーザー体験を提供します。

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