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コネクティビティがデジタルと実世界のエクスペリエンスに与える影響

 

 

June 2022

 

エリクソンの戦略実行責任者、エリック・ブロムクイスト(Eric Blomquist)は、画面を超えたデジタル生活について語っています。

What?


インターネットがテクノロジーや情報へのアクセスを大衆化させたように、無限のコネクティビティと拡張現実は体験へのアクセスを大衆化させ、新しい視野を開き、より多くの選択肢を提供し、私たちの選択の自由に大きな変化をもたらすでしょう。

Why?


テクノロジーと創造性を近づけるイノベーションによって、さらに没入型でパーソナライズされた体験がまもなく実現し、より優れた包摂性、コラボレーション、共有、共創が実現する中で現実世界と仮想の体験が同様に変化してゆくでしょう。

How?


ネットワークは、小型組み込みセンサーから、多感覚の没入型通信を可能にする大型デバイスまで、数兆の入力を処理する能力によりこれまで以上に機能的で、グローバルかつ動的になるでしょう。

重要なポイント

次世代ネットワークは、前例がないレベルの没入感、インタラクションおよびパーソナライズ化により、新しくより多様な観客とコミュニティを引き付ける、新しい体験を実現するでしょう。


またネットワークは、共有、コラボレーション、共創の触媒としても機能し、その中で場所を問わずコネクティビティの最大の可能性の研究を加速させるでしょう。


これまで以上に、要求が厳しいユーザーと観客の期待に対応するため、デジタルエクスペリエンスとソリューション、そしてサービスはますます直感的になるでしょう。


エリクソンでは、業界間で横断的コラボレーションを促進するため、強化された体験とそれら実現の原動力となるネットワークの両方を開発しています。


ハイブリッドエクスペリエンスは、オーディエンスの規模を大幅に拡大し、収益化向上のキーイネーブラーとなるでしょう。

経験は共同体意識を育み、感情を刺激し、思い出を作ります。

経験はコミュニティ意識を育む
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経験の力を過小評価すべきではありません。私たちは往々にして、ある出来事で起きたことの詳細は忘れてしまっても、どう感じたかについては覚えています。経験が共有される方法も進化しました。イノベーションのペースが加速し、地理的境界が崩れるにつれ、コネクティビティがデジタルおよび実世界のエクスペリエンスに与えうる影響は極めて大きなものです。

インターネットは知識と情報を大衆化させましたが、拡張現実は、革新的で没入型のデバイスを使用し、場所を問わず代替次元を導入することにより、経験を大衆化するでしょう。これらのデバイスが機能するためには、データが世界中を流れることに寄与する新しい改善されたネットワーク接続が必要になり、これにより、視覚、音、触覚そしておそらくそれほど遠くない未来には、匂いや味もデータ受信が可能になるでしょう。

これらのイノベーションは、没入型でパーソナライズされた要素を体験に導入し、すべての人に選択の自由を与えるでしょう。エリクソンでは、経験自体とその実現の原動力となるネットワークの両方を開発する機会に恵まれています。そのために私たちはますます多様化する貢献者間の共創を奨励し、促進しています。そして既に、それらの実現についての兆候が見えています。

 

米国のスポーツ産業は、2023年までに831億ドル規模に到達

 

 

経験種別

イベント

場所およびパートナー

音楽 リモートコラボレーション レイナソフィア音楽学校、マドリード (Orange、エリクソン)
スポーツ 没入型サッカーファン体験 ドイツ(VFおよびSKY)およびカタール(Ooredoo)
ライブパフォーマンス 夢のグローバルリモート体験 Royal Shakespeare Company、英国研究技術革新機構
拡張現実へのジャーニー Green Planet ロンドン、EE/BT
ホログラムによるライブショー  ホログラフィックショー (離れた場所にいるミュージシャン)クラロ・ブラジル、アリアンツ・パルケ 
リモートジャミング パフォーマーのコラボレーション コロラド大学、米国ボールダー
スポーツでの最高座席体験(360ストリーム) サンパウロでのストックカー自動車レース クラロ・ブラジル、インターラゴスレーストラック 

伝統的体験における受容、没入、差別化

観客、スポーツファン、アスリート、学習者、同僚(リストは続く)のいずれに対しても、より優れたコネクティビティによる体験の強化・改善が可能です。

エリクソンおよびOrange Spainの支援を受け、マドリードのレイナソフィア音楽学校は、コネクティビティがクラシック音楽にいかに適用できるかについて共同調査しました。

同校の最高経営責任者、ジュリア・サンチェス(Julia Sanchez)は次のように述べています。

「毎回のリハーサルや、適応し協調したいという前向きな意志を最大限活用する方法の共通理解によって、異なる領域の人々が協働する機会は今後ますます増えるでしょう」

ジュリアにとって、音楽とコネクティビティを組み合わせることで何が可能になるのかを他に示すことが重要でした。彼女は、遠く離れた歌手と地元の歌手との間で交わされた単純な表情から、彼らが達成したこと、できるようになったことに対する驚きを見た瞬間、コネクティビティに限界がないことを認識しました。

米国だけで、2023年までにスポーツ事業は831億米ドルの価値があると予測されています。コネクティビティはこの成長の重要な要素であるため、若いファン層を引き付けることは極めて重要です。しかし、これにはフランチャイズと権利所有者がゲームやソーシャルメディアより魅力的な(そしてサブスクリプションやチケットの費用を正当化する)新しい参加方法を提供する必要があります。

アスリート目線では、データ処理の負担は、デバイスとそのバッテリーではなくネットワークにかかるため、コネクティビティの向上はより多くのデータを分析でき、デバイスをより小さくよりコンパクトでより長持ちできることを意味します。コーチもまた、これまで見られなかったデータを見ることができるようになります。それはプレーヤーが行うあらゆる動きをリアルタイムで複数の視点から分析することや、プレーヤーの成長や怪我の後のリハビリを強化することです。

その恩恵を受けられるのは、プロのアスリートだけではありません。仮想自転車ツアーは協調の一つの実例で、走行場所からパフォーマンスに至るまで、幅広いデータがほぼリアルタイムで共有され、実世界と同じコミュニティ、チームワーク感覚を提供します。

ある体験の後、次の体験をしたいという渇望はすぐにやってきます。体験を他人と共有できるゲームに変貌させることが、ますますこの需要を支えています。

例えば、ファンはお気に入りの映画に関する完全没入型の仮想体験を紹介されてきました。最先端のウェアラブルVRテクノロジー(ヘッドセット、バックパック、ハンド・フットトラッカー、仮想領域で他人とのインタラクションを実現する周辺機器を含む)を使用した、高帯域幅と低遅延5Gコネクティビティを原動力として、映画の重要な場所やシーンの一部になる体験が可能になっています。大ヒット映画の一部になるという感覚は、長い間色褪せることがない思い出を作り出すでしょう。

RSC(Royal Shakespeare Company、ロイヤルシェイクスピアカンパニー)による、仮想没入型でインタラクティブなタイトルである「Dream」は、これまで劇場で試みられたことがない規模でのアクセスとパーソナライズ化を提供しました。制作に関する様々な視点を選択し、上演中に仮想ホタルを動かす機能は、テクノロジーと創造的な心との融合が多くの観客にとっての特別な何かにどの様につながるか、という感覚を与えるものでした。

わずか1週間の間に、151か国以上から65,000人の聴衆が本上演にアクセスしました。RSCのデジタルディレクター、サラ・エリス(Sarah Ellis)は、これはほんの始まりに過ぎず、様々な場所で横断的に非常に幅広いデバイスに対応できる移動性、信頼性、柔軟性、コネクティビティによって、もっと多くの事を達成できると考えています。

2030年の体験に先回り

没入型コミュニケーションが主流になり、イノベーションが急ピッチで継続していくにつれ、私たちの感覚すべてをデジタルに変換できる能力は、もはや距離が人間のインタラクションの障壁ではなくなるかもしれないことを意味します。

音楽

2030年までに、演奏者はもはや、自分自身、チームまたは機材を世界中に物理的に移動させる必要がなくなるでしょう。演奏者が忙しい旅行のスケジュールから解放され、彼らの芸術により集中できるようになるため、コンテンツの質と量同様、コラボレーションが高まっていくでしょう。

音楽ファンもお気に入りの演目を体験するために移動する必要はなくなるでしょう。ファンが仮想空間に入り、あたかも実際の会場を探訪しているかの様に移動したり、デジタルオブジェクトや他のファンとインタラクションしたりする完全な仮想体験が、一部のコンサートの標準になる可能性があることを多くの人々が示唆しています。

学生にとって、世界最高の演奏者へのアクセスが増えることにより、彼らのスキルを磨くための刺激と動機付けの双方がもたらされ、国際的な仲間の間、でさらにすばらしいコラボレーションが促進されるでしょう。世界中の最高の学生たちから成る弦楽四重奏団が、リモートで一緒に練習、演奏している様子が想像できるでしょうか?

スポーツ

Metaは、仮想空間で、どの様に私たちがインタラクションを行うかという将来に関する意欲目標を共有しています。これはホログラムとして任意の場所に瞬時にテレポートできる未来です。BT Sportのモバイル戦略ディレクター、マット・スタッグ(Matt Stagg)は、これにより没入型スポーツの進化の機会が提供されると考えています。

マットは、没入型の複合現実体験により、ファンがスタジアムと自宅観戦とのギャップを埋めることができるだろうと示唆しています。ある場所から別の場所への感覚の完全移動を可能にするテクノロジーを使うと、仮想的にその場所にいるという、はるかに強い感覚が実現するでしょう。

メディア企業Supponorのチーフプロダクトオフィサー、スティーブ・パンケット(Steve Plunkett)は、様々な文化や人口統計を説明するために、スタジアムの雰囲気を特定のデジタル観客コミュニティごとに適応させることも可能になるだろうと述べています。ある人には特定のブランド広告が表示され、他の人には別のブランド広告が表示される可能性があります(またはプレーヤーの統計情報など、全く異なるコンテンツが表示されるかもしれません)。

最終的に、リモートの観客には、実際にスタジアム内に居るよりも没入感のある体験ができる可能性があります。画面から幅広いデバイスへのシームレスな移行により、スタープレーヤーやテレビの専門家のホログラフィックプロジェクションを自宅で投影できるかもしれません。ハラハラするようなイベントを見ていて、次にその分析をしながら実物大のホログラムをリビングで見ている、という様に。

ARゲーム

ゲーム

物理的現実と仮想現実の融合から恩恵を受ける最有力候補がゲームであることは、ほぼ間違いないでしょう。プラットフォーム(基盤)横断型のテクノロジーにより、個人は二つの現実の間をシームレスに移動できるようになるでしょう。

HADO(地元のトーナメントとリモートトーナメントの両方を可能にするARチーム向けゲーム)など大勢の視聴者を引き付ける拡張現実型のチーム向けゲームの場合、即時性が決定的に重要です。つまり、アクションに対するすべての反応が、まるで自分が一緒に居るかの様に感じられる、他の人々とのコラボレーションの感覚です。皆さんは一緒にいるのです。高精細ビデオと空間認識は、スタジアムやプレーヤーの数に関わらず、現実と仮想の境界を曖昧にします。地元のイベントと体験は変わらないものになるでしょう。

観客は、自分たちがグローバルな体験の一部であり、移動の必要無くアクションやイベントとインタラクションできると感じるでしょう。サポーターの力が競争のバランスを崩す可能性さえあります。例えば、あるチームのサポートレベルを別のチームと対照的にデジタル変換すると、ゲームの次のフェーズに影響を与え、最高レベルのアドバンテージをチームに与えることなどが可能になるでしょう。

次世代のゲームも、UGC(User Generated Contents、ユーザー生成コンテンツ)を利用して、ますますゲーマーに仕向けられるでしょう。グラフィックスとUI5GのスタートアップであるTensionの創設者兼CEO、マグナス・ビョークマン(Magnus Björkman)は、新しい仮想世界は、デジタル接続されたレンズ、ハンドヘルドデバイス、または新しいコンソールを通して見ると、拡張現実で映画品質になるだろうと考えています。

「次は、映画とゲームの統合が到来するでしょう。リアルタイムでレンダリングされた4〜8Kでの体験を「最高の」座席に配置された角度を選択して見ることが実現するでしょう」とマグナスは述べています。

体験を生き生きとさせる

コネクティビティ向上の潜在性が完全に実現すると、クリエイティブチームとテクニカルチームは今の限界を超えます。

例えば、5Gは6Gに進化しますが、そうなるにつれ、デバイスはより軽く、より快適にそしてよりスタイリッシュになるでしょう。この移行を達成すべく、ネットワークは以下の様に進化するでしょう。

  • デバイスからネットワークへ処理を移行する
  • 利用可能な容量とカバレッジを増やし、より高品質なサービスを実現する。
  • デバイスの消費電力を削減する。
  • さらにインテリジェント化し、アプリケーションやサービスの情報をより有効活用してネットワーク性能および品質を最適化する。
  • サービスに関する様々な要求に対応し、最適で信頼性があり、耐性がある体験を保証する。

6Gにより、以下を含む次のレベルのサービスが実現されるでしょう。

伝送技術の改善: 5Gおよび6Gは、おそらく100 GHz以上の新しいスペクトル帯域を克服し、数百Gbpsの範囲でより高いデータレートをサポートするでしょう。これらのデータレートにより真のインタラクティブサービスが実現するでしょう。これに関するあらゆる問題を軽減するため、隣接し合う基地局は、干渉を回避するか、または最適な方法でユーザーに共同で対応すべく、よりうまく送信を調整するでしょう。

空間認識、測位、およびセンシングの強化: ネットワークが6Gに移行するにつれ、レーダーの様な能力を使用して周辺を感知できるようになるでしょう。通信ネットワークを介して非常に詳細な3Dマップを共有することにより、仮想世界と物理世界をシームレスに組み合わせることができます。これには、二つの世界での行動に認識できる差異がないという感覚を与えるために必要な極めて低い遅延のほか、6Gだけが処理できる大量データのリアルタイムでの収集、処理、共有が必要です。

インテリジェントで適応性があり、設定変更可能なネットワークおよびコンピュートプラットフォーム: 体験を生き生きさせるアプリケーションの性能も、ホストおよびリアルタイムアプリケーションの極めて重要なタスクを管理する決定性を持つコンピュート機能を既存機能に重ねることで、E2E(end-to-end、全体)で最適化されるでしょう。

流動的なコンピューティングにより、統合された広範なコンピュートリソースを使用して、アプリケーションをネットワーク基盤全体にシームレスかつ動的に展開できます。この様に、アプリケーションは、動的なネットワークの変化やユーザーやデータの移動にかかわらず、常にローカルに見えるコンピュートおよびデータサービスにアクセスできます。また、利用可能なリソースを最大限に活用することも可能になります。

連動するウェアラブル: デバイスは画面インターフェイスになるのではなく、移動方法、閲覧内容、タッチする内容などに関する感覚データをキャプチャーして配信する必要があります。スマートグローブ、ハプティックスーツ、腕時計、スマートメガネ、コンタクトレンズなど、相互にデータを共有するウェアラブルデバイスのローカルクラスターはすべて、主に機能する没入型デバイスによって調整されるようになるでしょう。

コンテキストを認識する通信サービス(現在および以前のユーザープロファイルやコンテキストに依存するアプリケーション)により、よりパーソナルで適応的な機能が実現され、グループ全体で集合的に体験の一部を感じられるようになるでしょう。

安全でプライベートかつ信頼できるシステム: ユーザーが他のユーザーとだけでなく、純粋な仮想環境ともデジタルでインタラクションする場合、体験が安全に使用でき、信頼性があり、プライバシーを侵害しないことが重要です。

この信頼を提供するため、攻撃や意図しない妨害に耐え、検知し、対応し、回復する能力はモバイルネットワークの設計と構築の基本であり、2030年までになお一層重要になるでしょう。

この議論をさらに少し広げると、eスポーツがオリンピック大会の正式競技になり、スーパーボウルやサッカーのワールドカップの様な世界の一大スポーツを越えて最大のスポーツアトラクションになるだろうと多くの人々が考えています。それが実現するとなると、公正な競争を保証し、不正行為を防止できることが極めて重要になるでしょう。

完全にデジタル化が設定された場においては、不正行為の機会は抜け道や変更を提供する他の機会とともに、より魅力的なもの、ないしは利用可能なものと見なされる可能性があります。これはプライバシーと監視の絶妙なバランスを取って実現することになるでしょう。Tensionのマグナス・ビョルクマン(Magnus Björkman)は、この種のジレンマは、特にeスポーツが大衆の趣味になる中で増加すると考えています。

これらの特性を実現する基本的技術は、機密コンピューティング、認証およびID管理、暗号化アルゴリズムおよびセキュリティプロトコル、セキュリティソフトウェア、セキュリティ向けAIの使用(およびAIのセキュリティ)、そしてセキュリティ保証です。

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新しい体験に参加する人々を招待するための協力体制

革新的な体験については、皆さんは、主な障壁は常に技術面であると想定しているかもしれません。しかし現実には、人々も変わっていかなければなりません。クリエイターが実体験を超えて想像する必要がある一方、ユーザーには、来たる変化を受け入れ、新しい習慣を採り入れるためのサポートが必要です。

STEAM(Science, Technology, Engineering, Arts, and Mathematics:科学、技術、工学、芸術、数学)の実践では、創造性、批判的思考、問題解決を促進するための専門知識の纏まりの重要性が認識されてきました。この協調的アプローチは、テクノロジーを使用して日常の体験を向上させ続けるために必要不可欠です。

2030年のビジョン

Contributors

Jose Luis Pradas

Master Researcher

Du Ho Kang

Senior Specialist

Wolfgang John

Principal Researcher

Robert Baldemair

Principal Researcher

Gustav Wikström

Research Leader

Eric Blomquist

Strategy Execution Director